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豪クラウン、ビクトリア州でのカジノライセンスは維持へ、2年間の「保護観察処分」付きで

2021/ 10/ 27

ビクトリア州王立委員会はクラウンに対する調査結果を発表、クラウンが「驚くべき不正行為の数々」を行っており営業に適さないとしながらも、特別な管理者の下で2年間の猶予期間を与えた上で、同州でのカジノライセンスの保持を認める勧告を行った。これを受けて州政府は条件付きでクラウンの営業継続を許可、2年後に同社が改革を実行できたと証明できなければライセンスを取り消すとした。

クラウンがライセンスを失わずに済んだ最大の理由は、同社の事業規模があまりにも大きすぎるためであるとみられる。王立委員会は、Crown社のライセンス取消を勧告するかどうか検討する際、ライセンス制度の完全性を維持する重要性と、カジノの閉鎖により1万2,000人の罪のない第3者の雇用が失われるリスクを天秤にかけたが、クラウン社が多額の費用をかけて「重要な改革プログラム」に着手するとの決定を下したことから、同社が自社の改革を成し遂げる可能性を考慮したという。これまでビクトリア州のアンドリュース政権は違反を犯した個人や企業に対し寛大な処置をとることが殆どなく、ゲーミング大臣のメリッサ・ホーン氏の「クラウン社は最も厳しい条件を課され、政府の保護観察下に置かれている」との説明は、今回の例外的処置の釈明のようにも聞こえる。アンドリュース首相は、もしクラウン社が変わろうという姿勢を見せなかれば、今後2年以内のどの時点でもライセンスを取り消すくことができると示唆している。今後、クラウン社は政府が任命した監視役スティーブン・オブライアン氏の監視下で営業を行っていく。

今回の決定は、ニューサウスウェールズ州、クィーンズランド州での不正行為により調査を受けようとしているスター・エンターテイメントにとっても、朗報と言えるだろう。 By Resocasi.com