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スター・エンターテインメント、財務危機の中で資産売却と資金調達を加速

2025/ 03/ 11

オーストラリアの大手カジノオペレーター「スター・エンターテインメント・グループ」が、深刻な財務危機の中で資産売却と新たな資金調達を進めている。


同社は3月8日、共同事業パートナーである香港のChow Tai Fook Enterprises(CTFE)およびFar East Consortium International(FEC)との間で、スター・ブリスベンの50%持分を売却すると発表。売却後はCTFEとFECがクイーンズワーフ・ブリスベン開発を100%所有することになり、代わりにスター・エンターテインメントは、両社が保有するスター・ゴールドコーストの66.67%持分を取得し、さらに売却対価として5,300万豪ドル(約49億円)を受け取る予定だという。


資金繰りの悪化を受け、同社は米投資会社キング・ストリート・キャピタル・マネジメントから2億5,000万豪ドル(約231億円)のブリッジローンを確保。また、最大9億4,000万豪ドル(約870億円)の借り換え資金調達も模索している。同社は既存の優先負債のリファイナンスが急務だとして追加資金確保の動きを加速させている。


こうした中、米カジノオペレータ大手のバリーズ・コーポレーションが、スター・エンターテインメントに対し、非公開での買収提案を行ったことが明らかになった。

バリーズの提案は、2億5,000万豪ドル(約231億円)の転換社債を発行し、発行済み株式の50.1%以上を取得するというもの。これにより、同社はスター・エンターテインメントの筆頭株主となる可能性がある。しかしスター側は提案の詳細は不明であり、取締役会で検討するが進展の確約はできないと慎重な姿勢を示している。


スター・エンターテインメントは現在、資産売却と資金調達を通じて経営の立て直しを図っているが、関係者の間では、同社が今後も独立性を維持できるか、それとも外資の傘下に入るのかに注目が集まっている。By Resocasi.com