世界のIR・カジノニュース

アジア各国の海外旅行者受入れ事情

2021/ 10/ 23

アジアではヨーロッパや北米に比べて海外との往来再開が遅れをとっているが、ここにきて予防接種率の上昇と経済的にひっ迫した状況から一部の国々では、出発地を限定して隔離なしの国境開放が行われ始めた。シンガポールではドイトとブルネイに加えて、今週から英国、米国、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、オランダ、スペインから指定フライトで到着するワクチン接種済みの旅行者に対し、目的を問わず隔離期間なしで入国を許可している。シンガポールの民間航空局によると、10月12日の受付開始時点で、約2,400人の外国人旅行者が「トラベルレーン」プログラムのパスを取得しており、パスを必要としないシンガポール国民及びシンガポール永住権保持者を含めると、1日平均3,000人の受け入れを予定してるという。フィリピンは先週、中国、香港、台湾、ニュージーランドなど約40の国と地域(多くは経済規模の小さい国)からのワクチン接種済みの旅行者は、今後検疫を受ける必要がないと発表した。但し出発前72時間以内のPCR検査の陰性証明と到着t後14日間の自己観察が求められるという。フィリピンでの新型コロナの感染者数は9月にピークに達して以来、急激に減少している。タイでも年末のホリデーシーズンを前に、11月からワクチンを接種した旅行者の一部を検疫なしで受け入れる予定で、政府が近く対象国のリストを発表する予定となっている。
「Our World in Data」によると、ワクチンの完全接種率は、フィリピンが約20%、タイが約35%と、シンガポールの約80%には及ばない(日本は約70%)が、渡航前の検査などのプロトコルが適用されている限り、渡航先と出発国の両方で予防接種を増やすことにより、輸入症例や深刻な大流行のリスクは軽減されるとみられる。シンガポールでは、ドイツ・ブルネイ両国との間で「ワクチン・トラベルレーン」プログラムを開始後の1カ月間で、到着した約2,000人の外国人から検出された新型コロナの輸入感染例はわずか2件のみだった。

一方で、アジアの一部の国や都市では依然、海外との往来が厳しく管理されている。中国は「ゼロコロナ」政策を維持しており、香港も検疫を必要とする厳しい国境規則を堅持している。インドネシアは先週、リゾート地であるバリ島を特定の国からの海外旅行者に開放したものの、到着時の隔離を義務付けている。世界観光機関の最新の統計によると、アジア太平洋地域の今年7月の国際線の到着旅客数は、2年前に比べ94%減となっており、欧州の58%減、北米の61%減と比較すると、アジアの回復の遅れが目立っており、中でも東南アジアでは98%減と最も減少幅が大きい。 By Resocasi.com