世界のIR・カジノニュース
中国の違法賭博取締り、強化の方向へ
2021/ 12/ 05
アジア競馬連盟(Asian Racing Federation)の報告書によると、年間1,540億ドルと推定される資金の流出を食い止めるため、中国の違法賭博に対する取締りは今年の残りの期間と2022年に向けて強化される見込み。
サンシティグループの代表であるアルビン・チャウ氏ら10名の逮捕前に発表されたこの報告書によると、中国政府は違法賭博との戦いを非常に重要視しており、「いわゆる”グレーマーケット”の賭博業者は、中国本土の顧客を対象とした事業は、中国国外でのライセンス取得状況にかかわらず、合法的なグレーゾーンでの事業ではなく、明らかな犯罪とみなされる可能性があることを認識すべきである」としている。
この報告書では、中国がギャンブルサイトやカジノへの資本流出を懸念する理由が強調されている。2016年に7,250億ドルという記録的な額に達した中国からの資本流出総額の5分の1以上を違法賭博が占めると推測されており、この資金流出により中国人民銀行は、通貨安定のため外貨準備高の25%に当たる約1兆ドルの支出を余儀なくされたが、規制当局が厳格な資本規制を行った結果、流出の殆どは1年以内に解消された。
ただ2019年には資金流出が再び増加し始め、中国政府はオンラインベッティングに対する3年間の取締り強化キャンペーンを開始。これはより広範囲な海外の事業体や政府を対象としており、中国人を賭博の対象としている国や地域の未発表のブラックリストが作成された。
中国は、資金流出と違法賭博が社会の安定を脅かすものであると繰り返し警告。報告書では、国外に流出した資金が国内市場の流動性を低下させ、不動産などの資産価値の低下を招くと説明。その結果として生じる人民元の下落圧力が、中国政府の為替管理能力を損ない、通貨安を招き、中国国内の貯蓄者が強い外貨へと資金を移すことになるという。
サンシティ・グループのアルビン・チャウ氏は、中国の弾圧で最も注目を集めた逮捕者で、マカオで拘留中だが、中国でも逮捕状が発行されている。
中国の当局は、チャウ氏の疑惑の組織が関わる金額は膨大で、社会に深刻な損害を与えていると述べている。By Resocasi.com
最新ニュース
- サイパンのカジノオペレーター「インペリアル・パシフィック・インターナショナル」が米破産申請 2024年 04月 24日
- 大阪IRプロジェクトに阪急阪神ホールディングスが参画を表明 2024年 04月 23日
- ラスベガス・サンズ 2024年第1四半期、アナリストの予想上回り好調 2024年 04月 18日
- 2023年ネバダ州南部のツーリズム、多くの指標でパンデミック前の水準上回る、F1・スーパーボウルが貢献 2024年 04月 15日
- タイのカジノ、年間50億ドル以上の収益を生み出す可能性も 2024年 04月 14日
あわせて読みたいニュース
- 大阪IRプロジェクトに阪急阪神ホールディングスが参画を表明 2024年 04月 23日
- タイのカジノ、年間50億ドル以上の収益を生み出す可能性も 2024年 04月 14日
- ベトナムのコロナ・リゾート&カジノ、2023年売上46%増 2024年 03月 24日
- PAGCORのテンコ会長「フィリピンは2025年までにシンガポールを抜き、アジアで2番目のギャンブル拠点になるだろう」 2024年 03月 24日
- タイ、国会委員会でカジノ合法化にむけた法案完成、月内にも下院通過か 2024年 03月 22日
- 「フィリピンのGGR、2024年予測は史上最高の60億ドル超」Pagcorのテンコ会長語る 2024年 01月 19日