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タイの『カジノを含む娯楽複合施設法案』、内閣承認を経て国会審議へ

2025/ 04/ 21

タイ政府は3月27日、カジノリゾートを含む「娯楽複合施設法案」を承認。法案は国会へと送られた。


タイ政府はこの法案を「国際投資を呼び込み、観光産業を強化し、数万人規模の雇用創出につながる」として推進、年間で394億バーツ(約1,160億円)の税収を見込んでいる。建設候補地には、バンコク、チェンマイ、プーケット、チョンブリーの4カ所が指定されている。ただ同法案では、タイ国民のカジノ利用について「入場料5,000バーツ」と「5,000万バーツ以上の銀行残高証明」を条件とする、いわゆる「ミリオネア条項」が含まれており、投資家の関心を削ぐのではとの懸念もある。(現在、タイ国内で5,000万バーツ以上の預金を有する口座は1万件程度。)また法案では、カジノ施設は娯楽複合施設の床面積の10%以内に制限され、オンライン接続や映像配信、大口ベットへのインセンティブなどは禁止、すべてのカジノはマネーロンダリング防止法の適用を受けるなど厳しい規制も課している。


現在、法案は国会と上院での審議段階に入っており、特に上院では特別委員会(最大35名)による詳細な検討が進められる見通し。4月23日に予定されている初会合では、委員長や構成役職の選出、調査の進め方などが議題になるとみられる。この上院審査には約180日間(6カ月)が充てられる予定で、外部専門家の意見も取り入れながら、法案の影響や運用に関する詳細な検討が行われる。
なお、法案の本格的な国会審議の開始は2025年7月以降になる可能性が高いとされており、ライセンス発行や運営事業者の選定などを含む実際のプロジェクト進行は、最短でも2027年頃になると見込まれている。


法案をめぐってタイでは賛否が分かれており、3月には政府庁舎前で反対デモが行われた。反対派の意見には「宗教的な価値観に反する」「地域開発の原則にそぐわない」などが含まれている。一方、法案を推進する政府側は「これは単なるカジノ合法化ではなく、観光振興、雇用創出、外国投資の呼び込みを目的とした経済活性化プロジェクトである」と繰り返し強調している。By Resocasi.com