リゾカジ カジノレポート

テニアン戦記

* サイパン・テニアン 2013/ 06/ 26 Written by ぽんとん

コメント( 4)

(1)テニアンでプーシキンの戒め

テニアンBJトーナメント

準決勝テーブルのラストゲーム。
ここまでで4人脱落。
ラス前でチップを放り投げて去っていった韓国人がプレーの流れにアヤを付けたが、まあ条件は一緒。
とはいっても3人の胸中穏やかでない。
パンクしてないんだから最後まで付き合えよ、まったく。

右隣はゴルゴ。無口で強面の日本人。隙を見せれば殺られる。
真ん中にぽんとん。景気付けに臨んだトーナメント直前のヒラバ戦、その悪夢を振り払うためにバーボン2杯を一気飲み。単なる酔っ払いになっていた。
左隣はスーパーマン。SのTシャツが迫力満点の日本人。
この3人から1人が脱落となる。

最終の手持ちチップは僅差。
ゴルゴ 3,950ドル
ぽんとん 3,800ドル
スーパーマン 4,050ドル

誰にでもチャンスは大いにある。
ベット順は廻り回ってゴルゴから。
トーナメント最終では当然後ベットが有利。
小生はゴルゴのベット額を見て判断する事となる。
さて、ゴルゴのベット額、500ドル。
これにはぽんとん、困った。慌てた。
さすが、ゴルゴ。勝負の判断を小生に委ねた格好だ。
小さく張って、親の勝ちを祈るか。勝負に出るか。うむー。
ここに来て冷や汗とともに酔いがまわってきた。
よし、勝ちに行ってやろうじゃないの。
ぽんとんのベット額、700ドル。勝ちきるしかない。
スーパーマンのベット額、500ドル。これはさすがだ。

ディール開始
親 8 ビミョー!
ゴルゴ 14
ぽんとん 12
スーパーマン 20 ほぼ1位抜け確定か。

アクション開始
ゴルゴ Stay!! おぉ、さすが!とぽんとん思わずつぶやく。
ぽんとん 再度戸惑う。親がBustならStayがお利口。
しかし、親のBustを望むなんて、そこで負けが確定も同然。
よし、勝ちに行ってやろうじゃないの。
ぽんとん Hit!!
ディールされたカードは 2。余計窮地に立つ。
誰かが言っていた「一発で欲しいカードが入らないゲームは概ね負け」が頭を過ぎる。
それでも勝ちに行ってやろうじゃないの。
再度、Hit!!

ここから後は余り記憶にない。忘れたい。
それでもかすかに覚えているのは、
欲深いぽんとんに、「スペードの女王」が微笑んだことだ。
まさか最後にピクチャーを引き込むとは。

呆然とテーブルを後にしたぽんとんを、今回知り合った仲間達が
労ってくれた。
特に、この手の戦略に長けたYAKULTさんに状況分析をお願いしたところ、目から鱗が落ちた。
こんな手があったのか!

(2)戦い終えて

この手があったのか!
これは以前TVのショートコメディーで、獄中の囚人が「プリズンブレイク」を見ていて発した一言。

今回初めてお会いしたマイフレンドのYAKULTさんはスルドイ。
「私ならあの局面、325ドル ベットしますね。傍目八目ですが。」と、さらっと述べた。
「そうすれば、ゴルゴさんとシンクロしてStay、親の18を期待する。そうなると、ゴルゴさん3,450ドル。ぽんとんさん3,475ドル。もしゴルゴさんが好手ならば、ぽんとんさんは無理やりダブルして、最低引き分けに持ち込む。」
ぽんとんの目からぽとんと鱗が落ちた。
見かけと違い(失礼)なんちゅう冷静な人だ。

あの後、帰国してからもシュミレートしてみた。
あの時ゴルゴは下手を打った。
本来は500ドルではなく、差額の150ドルが妙手であったはずだ。
次回から小生ならそうする。
これなら、相手は25ドル以上賭けなければならないので、親が勝てば自然と勝ちは転がり込む。
確率的に最も高いのは、親の総勝ち(プレイヤーの総負け)。
まずはこの可能性を判断した上で、それが叶わない状況なら勝つために相手より多いベットを仕掛ける。
つまり、相手に勝つとは、何も自分が好手を作ることだけではない訳だ。
サイゴンサイゴンさんの「BJトーナメントは,BJとは異質」というアドバイスが骨身に沁みた。

よっしゃ、次回やってやろうじゃないの!

以上、勝手な解釈でありますが、ご意見下さいませ。

それにしても、ファイナリスト三木台風さん、惜しかった。
最後の数ゲームで勝利の女神は唯一の日本人女性プレイヤーに微笑んでしまった。テニアンの女神はレズかもしれない。
あと、同じくファイナリストとなったゴルゴは、最終ゲームで親にBJを作られ、僅差で準優勝(13K)。親がBJではなかったら25ドル差で優勝(36K)していた模様。最後のショットで数ミリ的を外したようだ。しかし、おめでとう。

(3)旅カジは人生を豊かにする(と思いたい)

結果は負け。
テニアンブルーの海にではなく、テニアングリーンのラシャの海に溺れた。前回のマニラに引き続き溺れたわけだが、こうして隊長1名命永らえ、南の空を眺めながら捕われた部下の救出に考えを廻らしている。十分学習した。過ちは繰り返さない。

「過ちは繰り返しません」とは敗戦記念日(終戦ではない)によく耳にする。しかし、誰の過ちか。
彼の地テニアンには、あの原爆をエノラゲイに搭載した飛行場の跡地が今も観光地として残っているという。
そこには、「原爆によって終戦を迎えることができた」と書いてあるらしい。一面は正しい。しかし、無差別殺戮を行なっておいてその言いぐさはなかろう。とても見学に行く気になれなかった。もし行ったら、ペンキでNo Way!と落書きし、帰国不能となっていたかもしれない。
だから小生はベガスへ行かない。東南アジアに溺れる。

さて、初めてのテニアン、トーナメント。楽しかった。
いつも一人旅を嗜好してきたが、以前からお会いしたかったサイゴンサイゴンさんと同席できた。待ち合わせをしていたのだが、遠目からすぐわかった。思い描いていたとおりの風貌とお人柄。

それと、三木台風さん、YAKULTさん、哲さん改め加徳満杜都さん、多摩市のイケメンピザ屋のお二人、弟の嫁にクリソツなホストのお嬢さん。またお会いします。



最後に、「えらいもの見ちゃった」でお茶を濁します。

(その1)憎めない中国人のおじさま

テニアンダイナスティホテルのオーナーは中国人。
そのためか、中国からの団体様御用達。
その中のお一人がBS敢行中の我々リゾカジ軍団のテーブルにいきなり割り込む。はい、いきなりです。
空港でいきなり列に入り込む光景に慣れてしまったためか、これは止むを得ん。
しかし、高級なたばこ「中華」を皆に振舞う高貴なお方。
ただ、BSを知らないだけ。
親6の時、おじさま77の好手。
当然SPと思いきや、いきなりHit。
来たカードが2でほっとした軍団。
しかし、間髪入れずHit Again。
その結果は言うまでもありません。
こうなると、親が好手となる確率の高いことは周知のこと。
しかし、親は2枚のTであえなくBUST。
サイゴンサイゴンさんに「スプリット教えましょうかね?」と言ったら、「やめたほうがいい。きっと55からスプリットしてしまうよ。それに中国語話せないしな。」納得。
憎めないおじさまでした。


(その2)憎めないパキスタン人のディーラー

テニアンのディーラーの多くは、フィリピン人かパキスタン人。
韓国カジノに慣れているプレイヤーにとっては、余りにフレンドリーで鉄火場感に欠けるはず。
いつもニコニコしていて、会話も弾む。チップも弾む。
何日か滞在していると、皆んな目配せで挨拶もしてくれる。
そんなある日の夜。
見かけないパキスタン系ディーラとテーブルを囲んだ。
額には汗が滲んでいる。隣で女性PBが腕組。
冗談を言おうとしたが、ディーラーの耳にはPBのお小言しか届かない様子。なぜか雰囲気が重い。
「じゃあ、始めますか。」でテーブルオープン。
すると、ディーラーのカードをシャッフルする手がカチカチに固まっている。
カットカードを入れ、シューに収める時など見ていられない。
そう、マージャンを始めたての頃、積牌がうまく出来なかった時のアレです。
皆で顔を見合わせ、「初心者のディーラーとやるのもたまにはいいね。」で和やかな雰囲気となる。
しかし、カードを配るのが極端に遅い。リズム以前の問題である。それにしばしば間違え、PBからはお叱りの嵐。額の汗はテーブルにすでに落ちようとしている。
三木台風さんなんか、普通なら「Split!!」と二本指を立てるところを、「ノットヒット、スプリットプリーズ」などと、相手のリズムに合わせたアクションとなっている。
その結果、この1ゲームで軍団はそれはみごとに惨敗。
やはりゲームにリズムは大切です。
これはマズイということで、テーブルを離れる際、PBに「彼は経験がまだ浅いね。」と言ったら、
「今のゲームは彼にとって始めてのディーリングです。」とのお答え。
これには参った。
彼の実験台になりながら、金をむしり取られたとは。
憎めないディーラーでした。

おしまい。



*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。


このReportへのコメント(全 4件)

2013/06/28(Fri) 08:05

サイゴンサイゴン

ぽんとんさん

熱戦を思い出させるリポート楽しく読みました。
予選でぽんとんさんがラスト数ゲームの勝負所で、マックスベットのソフト10(20)から
ダブルに行き、ピクチャーを引いたところは後ろで見ていました。トーナメント初参加なのに
さすがだなと感心しました。

トーナメントの結果は、やはりラスト数ゲームの運によって決まるようですね。
今回の決勝、優勝の女性は序盤のリードを25ドルのミニマムベットでしのぎ切っての勝利です。
最終ゲームでファーストベースのゴルゴさんがディラーA に対して20を持っていて、ディラーが
BJさえ作らなければほぼ勝利で、優勝という局面。 結果はディラーBJでした。

色々、戦術を悩み考えて、またいつか共にリベンジに挑みましょう。
その時は、平場の友も敵同士。


2013/06/28(Fri) 12:26

ぽんとん

サイゴンサイゴン 様

早速のコメントありがとうございます。(嬉)
改めて、今回お会いできたことに感謝申し上げます。

フィリピンレポートに続く「また負けちゃいました」レポート。
「最初は落ち込んだが最終的には勝った勝った!」のレポートが多い中、惨めな内容です。
負けてもヘラヘラとこんなレポート出せる自分が情けない。

予選の内容は書かなかったのですが、覚えて頂いていたのですね。
あそこが今回のハイライト。
7名の内2名が準決勝に進める、予選最終ゲーム。
それまでmin25ドルを貫き、相手の脱落を期待してきた。
しかしラスト5のコールがかかると場が動き出し、
ラストゲームを前にしたチップの計量では、トップから離されること1,700ドルの4位を確認。
マズイ、これはいかにも離されすぎ。遅きに失した感あり。

予選最終ゲーム。
上位のプレイヤーは無理しないベットで逃げ切りを狙う。
小生に残された戦法は後方一気捲くり。
1992年秋の天皇賞、果敢に後方一気で2着に飛込んだムービースターのイメージを思い描く。
あれは鮮烈だった。(何言ってるのか分からない)
ディーラーのフェイスカード、8 ビミョー!(準決勝と同じだった)
max1,000ドルで挑んだ小生にディールされたのは、A+9(準決勝の12とは雲泥のハンド)
直線を向いて果敢に鞭をとばす。
淡々と(頭の中では声高らかに)、ダブリング!
ワンカードオンリーを発したディーラーから配られたカードは10。
そう、「スペードの女王」のピクチャーではなく10カード。

結果はサイゴンサイゴンさんのおっしゃるとおり、牛蒡抜きの1位通過。
やった!!
しかしこれが絶頂。これより上のピークはテニアン島には無かった。
果たして、この翌日のヒラバ戦で叩かれまくる。
12からのヒットでTを引き、11からのDDでAを引く始末。
夕刻の準決勝を前に、崩壊したメンタルを覚醒すべくバーボン2杯を一気飲みした。
あとは、レポートのとおり。

皆様の戒めのコメント、お待ちしております。


2013/06/29(Sat) 10:36

三木台風

ぽんとんさん、サイゴンサイゴンさん

現地ではお疲れ様でした&お世話になりました(__)

トーナメントは毎回経験というか、勉強というか、考えさせられますね。
BJはポーカーより運要素が強くなるゲームですが、トーナメントである以上対人戦の戦略が必要になります。
そこについてまだまだ勉強不足だったのが、決勝での敗因だったかもしれません。ラスト5ゲームで結果を出すというセオリー(?)に縛られない戦略、次回までに考えておきたいと思います(^^;;;


2013/06/29(Sat) 18:26

ぽんとん

三木台風 様

お世話になりました。
今回は、ラスト3ゲームで勝負をかける戦法としたのですが、
出来れば途中で揺さぶって、トップから余り離されない又はトップで
最終ゲームを迎えないとマズイと思いました。
次回、楽しみです。
ちなみにBJトーナメントは他のカジノで開催されていないのですかね。

トーナメント後のヒラバ戦。
サードベースの三木台風さんの一人舞台。
ベットアップで連勝が続いた後、ベットを落したら負けたあのゲーム。
または、次は負けるとの直感によるベットダウン。
あれは忘れられません。カッコよかったなぁ。

またお会いします。
 
ぽんとん


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