リゾカジ カジノレポート
サザンクロスの下に【シドニー編】③(完)
オーストラリア 2015/
11/
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マカオの帝王
■ 8月14日(金)
憂鬱な朝を迎える。
実質今日1日では、“藁しべ長者”の再現も絶望的だ。
しかし、リンちゃんは低血圧の癖に朝から元気が良い。
「アナタ! 今日は子供の頃に絵本で見た“オペラハウス”に行くの! 写真をいっぱい撮って、微信(中国のSNS)に載せるの!」
兎に角起きて、観光の準備をする。
地図に寄れば、電車の“Circular Quay”の駅から歩いてすぐである。
従って徒歩で最寄の駅まで歩き、そこから電車で行くことに決定。
電車に乗るとすぐにシドニー湾、そしてお目当ての“オペラハウス”が見えてきた。
リンちゃん、大喜び。
こちらとしては、さっさと観光を終わらせたかったのだが、オペラハウスをバックにリンちゃんが写真を撮りまくるので、一向に前へ進まない。
(途中から持参したビデオカメラも併用し始めたので、ますます歩みは遅くなった)
小一時間かけ、ようやくオペラハウスの入口に到着。
ここで言語別に案内ガイドによるツァーがある、とのことで、【日本語コース】を申し込む。(代金は“i Venture Card”で支払い済)
館内はどんなに凄いのか? と期待するが、平日の昼間なので地元の中学生がコーラスの練習をしていただけであった。
オペラハウスの歴史、その文化的意義、等についてのレクチャーはそれなりに興味深いものであったが、リンちゃんは退屈そう……。
「あれだけ大騒ぎしたオペラハウスだよ? もっと真剣に話を聞いたら?」と尋ねると、
「そんなのはどうでも良い! それを言うなら特に中に入る必要は無かった。ここは外側だけで十分よ!」とのこと。
これ以上は踏み込まずに、会話終了。
オペラハウス館内見学ツァーが終わると、お次は湾内のジェット・ボートによるツーリングである。
受付らしきところで金髪のお姉さんに申し込むと、次回は午後3時から、とのこと。
時間潰しに、近くにある景色の良いカフェテラスで、コーヒーとケーキを頼む。
お味はマァマァだったが、リンちゃん曰く、「良く行く、日本の店の方が美味しい」とのこと。
ツーリングの時間が迫ってきたのでチェックを頼む。
すると約50$との記載が……。
店員に「確か35$程だった筈だが?」と尋ねると、テラス席は席料? が35%加算される、とのこと。
リンちゃんに説明すると憤慨するものの、それはこの国のルールだと説明するが納得せず。
「何よ! 変なルール! 美味しくも無いケーキとコーヒーで二人で5千円! 高すぎる!」
宥めながら、ボート乗り場に向かう。
波しぶきに備えて、防水のカッパみたいなものを羽織る。
上着、携帯、貴重品、等を鍵付きの箱に仕舞い、いざ出発!
最初は余り期待していなかったこのツーリングであるが、値段が張るだけあって、結構面白い。
操舵手が右に左に舵を切ると、波しぶきがパァっと上がる。
歓声をあげるリンちゃん。
真夏ならもっと良かったのだろうが、海からオペラハウスを眺めながら、冬のシドニー湾を疾走するというのも、これはこれで一興であった。
(最も、カッパの隙間から侵入した海水で、服が上下ともズブ濡れになったのには閉口したが……)
兎も角、これにてシドニーの観光は終了。
着替える為、一旦ホテルに戻る。
シャワーを浴び、旅行ガイドを見ていると、さっき行ったオペラハウスの近くに、オーストラリアのレストラン大賞に輝いた、“世界で29番目に美味しいレストラン”がある、とのこと。
シドニー最後の夜なので、JCBのゴールドデスクに電話すると、「あぁ、その店でしたら残念ながら半年前から予約で満席です……」とのお返事が。
それではと、「カジノのある“The STAR”に近く、今晩予約可能で、景色が良くて、値段が手頃で、オーストラリアらしい料理を堪能出来る店は?」と欲張りな注文を出すと、
「それなら、ダーリング・ハーバーにある“I’m ANGUS”というステーキハウスがお薦めです。ワタシも友達と先週行きました。ここを予約しておきますので、お支払いはJCBカードでお願いしますね♪」とのこと。
オーストラリア旅行における“最後の晩餐”の場所が決定。
少し休憩した後に、ホテルを出て歩きだす。
もう黄昏時である。
『成るほど、まさに“ミネルバの梟は、黄昏時に飛び立つ”という訳だ……』
昨日と同じルートを辿り、ダーリング・ハーバーに到着。
湾沿いに歩いていると、牛の絵が描かれた店を発見する。
お目当ての“I’m ANGUS”である。
週末だからか、店内はほぼ満席だったが、JCBで予約の旨を告げると、ちゃんと景色が良く見える、オープンテラスの予約席に案内される。
(持ってて良かったJCBゴールドカード)
モノは試し! とカンガルーミートに挑戦するも、リンちゃん曰く「ちょっと臭いからあげる……」とのこと。
但し、牛肉はボリュームたっぷりで、肉汁に溢れており、ビールがドンドン進む。
お値段は二人で150$程だったので、風景料込みと考えるとコスト・パフォーマンス的には正解だった。
「アナタ! オーストラリアは良いですねぇ。人は親切だし、景色は綺麗だし、中国語も少しは通じるし、カジノもポーカーだけなら大負けすることも無いし……」
適当に相槌を打ちながら、最終日の“ゲームプラン”を練る。
『種銭が2千$じゃ、バカラやBJは出来ない。やっぱりポーカーだな。適当なデイリー・トーナメントでもあれば良かったのだが、生憎今はキャッシュだけだ。となると昨日と同じ2-5$の卓になる訳か……。バイインは500$、お代わりはMAX3回まで! 最悪の場合、原点で強制終了。幸い、明日の飛行機は夜出発なので、時間はある。勝っても負けても、泣いても笑っても今日でラスト!』
“ゲームプラン”決定。
チェックをJCBゴールドカードで済ませ、店を出る。
二日連続で、ピアモント・ブリッジを渡り、“The STAR”に突入する。
昨日と同じく、バイイン500$で2-5$の卓に座る。
ほろ酔い気分でゲーム開始!
但し、開始から2~3時間の記憶が余り定かでない。
最初のバイイン分の500$は、ターンでストレートが出来たので喜んでオールインするとリバーでフラッシュに捲られ、敢え無く全滅。
お代わり1回目の500$も、フラッシュをフルハウスで粉砕される。
お代わり2回目の500$も、下のフルハウスで上のフルハウスに突っ込んで自爆。
テーブル全員が、『これは……、酔っ払いの観光客のお目出度いATMの“FISH(=カモ)”様のお出ましじゃないか! チャンスタイム到来だ!』とばかりに活気づく。
最後の500$をチップに交換する。
これがメルボルン~シドニーの5日間の勝ち分の全てである。
この辺でようやく酔いが醒めて来る。
トイレで顔を洗い、リフレッシュ。
さて、もうこうなったら、ターゲットを下方修正するしかない。
メルボルンの+2千$を死守し、シドニーを±ゼロで終える、と定める。
ハンドを少し絞りプレイする中、個人的には好きな、♠9♠8という、所謂“スーコネ(同じスーツで数字が連続している)”が入る。
取り敢えずリンプイン。
フロップ;♡9、♡8、♠5
いきなり、トップ2ペアとなる。
中国系の老人が30$ベットする。
スペイン系の男がコール。
日本人学生?もコール。
こうなると当方もコール。
他は降りて4人となる。
『こんなフロップで、一体どういうことだ?A9それともセット? しかし、9と8はこっちに1枚有るのだから、精々5のボトムセットだろう……(それでも強力だが)、それか6,7で参加していきなりのフロップ・ストレートで潜っているのか? 一番有りそうなのは♡2枚持ちのフラッシュ・ドローだな、JTもあるかも……、あとはAA、KK、QQ、JJ、TT……、何が有ってもおかしくない、どれも危険だ。しかしトップ2ペアで降りる訳には行かない……』
ターン;♠Q
フラッシュ・ドローが付いた。
中国系の老人が120$をベットする。
これをスペイン系の男が250$にレイズ。
それを見た日本人学生? がオールイン!
勝てば4倍は美味しいが、3人相手に勝てるのか?
もう一度考える。
『現状の2ペアじゃ勝つのは困難だが、まだリバーがある。♠ならフラッシュ、8か9ならフルハウスだ! 勝てば4倍! ちょうど(シドニーでの)原点復帰だ。よし、勝負!』
こちらもオールインを告げる。
もう誰も降りられない。
残る二人も相次いでオールイン!
ディーラーが全員にショウダウンを促す。
中国系・・・♡6、♡7(ストレート完成のストフラドロー! これは降りられない)
スペイン系・・・♢5、♣5(セット、これも降りられない)
日本人学生・・・♡J、♡T(上ストレート完成のストフラドロー! これは強力!)
現状は当方が最弱である。
けれども、リバーで残り4枚有る筈の8か9を引けばフルハウス、残り9枚有る筈の♠を引けばフラッシュなので、現時点での当方の勝率は;(4+9)/(52-4-2×4)=32.5%となる。
因みに中国系の老人は残念な事にアウツがストフラになる♡5だけなので、勝率は1/40=2.5%
スペイン系の男も、8、9の場合はフルハウスに昇格するが、その場合は当方の上のフルハウスに負けることになるので、アウツとしては残る3枚のQの内、日本人学生がストフラになる♡を除いた残り2枚のQのみとなる為、勝率は2/40=5.0%となる。
(もしリバーで♡5が出たら5の4カードとなるが、その場合は中国系の老人のストレートフラッシュに敗れてしまうという、非常に珍しいケース)
現状一番優勢なのは日本人学生で、勝率は、100-(32.5+2.5+5.0)=60%!
しかし、時計の針は既に12時を回っていた。
今宵の帝王の“肩(=引きの強さ)”は一味違う。
何故か引ける、それも♠ではなく、アウツ的には少ない筈の8、9を引いてフルハウスになる予感がした。
まだ全員が、所謂“drawing dead(=勝ち目無し)”という状況では無い為、固唾をのんでリバーカードの行方を見守る。
運命のリバーカードは昨日と同じ、♢9!
思わず、カードプロテクターで卓を叩く。
いつのまにか後ろで見ていたリンちゃんもニッコリ!
日本人学生が溜息を吐く。
既に敗北を予感していた後の二人は、ただ項垂れるのみ。
『そう言えば、この4人はいずれも北半球の出身のようだ。今宵は南天を支配するサザンクロスも出番なし、か……』
ディーラーが静かにポットの計算をする。
4人とも500少々だった為、メインポット(約2千$)が当方に、雀の涙ほどのサイドポットが、下フルハウスとなったスペイン系の男に付けられる。
後ろで見ていたリンちゃんが近寄り、「アナタ! 良ーかったねぇ♪ それでどうする? 辞める? もう帰って寝ろ」と話し掛ける。
チップを整理すると、2,005$であった。
いつもなら最終日だし、今夜は朝まで! と続行するのだが、何故かこの時は、「もうこれで良し……、今回はここまで」との気分になった。
『結局、シドニーでは+5$か……』
と思いながらチップを整理する為の箱を探していると、ディーラーから“タイムレーキ”として5$を要求される。
もう席を立つつもりだったが、チップ代わりに素直に5$支払う。
結局、シドニーにおける収支はチャラに終わった。
しかし、メルボルンの“CROWN”より、シドニーの“The STAR”におけるプレイの方が、面白かったのは確かである。
最後なので奮発してタクシーに乗り込む。
明日は市内巡りをして飛行機に乗るだけ、もうカジノ(ポーカー)は今夜で終了である。
夜空を見上げると、日本でもその昔、邪馬台国の女王:卑弥呼が見たのではないか? と言われるサザンクロスが輝いている。
『このサザンクロスも今宵で見収めか……、いわゆる“歳差運動”の影響で、今から1万2千年たつと日本でもサザンクロスが見えるという。その“アクエリオン”で予言された未来世界でも、人はやはり“トップを狙って”ギャンブルをするのだろうか? いや、これは愚門だったな。人が人である限り、この世からギャンブルが無くなることは無い。それを言うなら“どんなギャンブルをするのだろうか?”だ。もし1万2千年後の未来世界に“ガンバスター”で辿り着いたなら、是非そこにあるカジノを覗いてみたいものだ……、そして夜空に輝くサザンクロスの下で、未来人相手に、今はまだない未来のゲームで一勝負!』
------サザンクロスの下に【シドニー編】(完)-----
*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。
2015/11/17(Tue) 21:51
みさんこ
やはり、北斗最強伝説ですね。次も期待しています!
2015/11/19(Thu) 23:08
マカオの帝王
みさんこさんへ
北半球出身者ばかりの中だと、北斗は最強でした。
次は古巣のマカオです!
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このReportへのコメント(全 2件)