リゾカジ カジノレポート
帝王VS皇帝(1991:マニラ)⑦【回想編】
アジア 2022/ 10/ 28 Written by マカオの帝王
■ 1991年6月9日(日)午後4時 再びパビリオン・ホテル
空から火山灰が降り注ぐ中、ホテルに戻る。
フロントで取り敢えず預けているキャッシュの内、フィリピンペソ(30万)を全額引き出す。(日本円はそのままキープ)
『さて、カジノは営業しているのかな?』と思い尋ねると、驚いたことに通常営業している、とのこと。
それと、メッセージを一つ預かっていると告げられる。
マリアちゃんからだった。
【マカオの帝王さん、店のママから「今日は寮から外出禁止!」を告げられました。だから、ディナーには行けません。けど、火山の噴火が落ち着いたら、又フィリピンに来てください! マリアは、マニラの、マカティで、マカオの帝王さんに、又会える日を、待ってます】
『マカティのマリアちゃん、また逢う日まで……』
脳内でモードを入れ替える。
『折角のディナーも、火山の噴火で吹き飛ばされてしまったが、幸いカジノは営業中だ! 最初は余り気乗りしなかった、“マニラの皇帝”とのBJ勝負だが、こうなった以上は真正面から受け、誰が初芝№1のBJプレイヤーか、思い知らせてやる!』
そうと決めた以上、まずは石田先輩と腹ごしらえだ。
クルマの窓から見えた、ホテル近くの米国大手ピザ・チェーン店に移動する。
その理由は;
⓵ ホテル内のレストランは、どれもマァマァだが、全般に値段が高い。
② 外の中華は香港とは比べ物にならない(程不味い)
③ 和食も同じ。(全日航は高い)
④ フィリピン料理? は口に合わない。
⑤ よって、安定の米国式ピザ・チェーン店の登場、と決定。
適当にピザとビールを頼み、石田先輩に昨夜の結果を尋ねる。
「あぁ、それね。1時間半位かな? 皇帝さんの選んだ台に座り、言われるままにベットを上下させ、微妙な場合はアドバイスを貰いながらプレイしただけだったけど、あっさりと初日の負け分を挽回したので、そこで手仕舞いさせて貰ったよ」
「それは、おめでとうございます。それで、その時、“マニラの皇帝”さんの方は?」
「勿論勝利さ! 10万スタートで、それをざっと20数万ペソにまで増やしていたようだったけど、『明日の予行演習です。これが30万ペソになるまでプレイする予定ですので、先にお帰り下さい』と言われたので、最後は分からない……」
「さすがは “マニラの皇帝” だ……、ところで、今日はこれからどうするつもりですか?」
「うーん、この火山噴火の影響で、いつまでマニラに足止めされるか分からないから、折角チャラに戻ったのだし、手持ちのペソは大事にしないとね……、今夜は、“帝王VS皇帝”のBJ勝負を後ろから見届けるとするよ」
「そうですか……、ところで話は変わりますけど、これから我々は一体どうなるのでしょう?」
「あぁ、それなら大体予想は出来るさ。ちょうど2年前の6月に起こった、北京の“天安門事件”を覚えているかな? 僕はその時、たまたま北京に商談で出張中だったのだけど、すぐに本社から指示が飛んで来たよ。それと多分同じだろう……」
「それは……」
「一つ、今いるホテルの部屋から一歩も外に出ない事! 二つ、日本若しくは香港行きのエアーが確保出来次第、連絡するので確実に電話に出ること。三つ、いつでもチェックアウト出来るよう、荷物は纏めておき、最低限の飲食物を確保/携行すること。」
「成るほど、それは尤もだ……、待てよ、するとカジノは???」
「例え営業中でも、当然“ご法度”だ。もしバレたら懲戒もんだ。それと室内でのアルコールも程々にしないとな」
「何だかなぁ……」
(注)この4年半後に、マカオ(のリスボアホテル)で同じ目に合うとは、知る由も無かった。
「ただ、幸か不幸か、本日は日曜日だ。香港も日本も休日、動き出すのは月曜の朝からだろう。だから、今夜のBJ勝負は横槍が入ることは無いと思うよ」
「分かりました。それじゃ、そろそろホテルに戻りましょう……」
米国大手ピザ・チェーン店を後にする。
昼間なのに薄暗く、空からは相変わらず灰が降ってくる。
少し歩いただけで、“灰被り” となってしまった。
『少し疲れた……、これは、勝負の前にシャワーと仮眠が必要だ……』
石田先輩に、午後8時にカジノ・フロア(BJコーナー)と約束し分かれる。
まずは “マニラの皇帝” に伝える為、カジノに足を運ぶ。
いた!
火山の噴火の影響か、客は疎らであった。
(尤も、ディーラーも揃わないのか、半分位の区画は閉鎖されていた)
その中で、一人チップの山を築く “マニラの皇帝”
勝負の最中に話しかけるのは躊躇われたが、ちょうどシャッフルとなったので、後ろから声をかける。
「こんばんは! “マカオの帝王”です。昨日から調子、良さそうだね? 石田先輩から話を聞いたよ……」
「それはどうも……、ところで、火山の噴火の影響は? それと僕との“BJ勝負”は?」
「あぁ、それを伝えに来た訳さ。火山の噴火の直接的な影響は、空から灰がふってくること位だ。北の方じゃ、避難命令が出ているようだけど……、多分、明日になれば、ホテル待機の指示が出るだろうけど、今日のところは何も無しだ。それで、今はちょうど6時だけど、2時間後の午後8時から勝負開始で良いかな? 僕のほうは少し休憩したいし、君の方も、良い感じで切り上げて、軽く食事でも取った方が良いんじゃないかな?」
「それは有難い! それじゃ、スタートは午後8時で了解しました。どうせ今日は開店休業状態です。知り合いのフロア・マネージャーに頼んで、隅っこの卓を貸切りにして貰うようにします。只、一つ問題が……」
「と、言うと?」
「どうやら、火山の噴火の影響で、BJコーナーは午前12時でクローズする、とのことです」
「そうか……、でも、まぁ、香港式だと“無問題”だ。10万ペソを100万ペソに! と言うのなら兎も角、二人の内のどちらかが、それを3倍の30万ペソにするのに、4時間も掛からないだろう?」
「それは、そうですね。了解です! それでは2時間後に!」
“マニラの皇帝”と分かれて、一旦部屋に戻る。
服に付いた灰を落とし、バスタブに浸かりながら考える。
『明日からは、このホテルで軟禁状態だ。自由にカジノで勝負出来るのは、今夜だけ! 成り行きだが、“マニラの皇帝”とのBJ勝負、負ける訳にはいかない! それはそうと、マリアちゃんとの流れた“ディナー”はどうしたものか? 一旦香港に戻った後に、落ち着いたらコソッとマニラ入りしてコンタクトを取り、デートするというのは……』
すると、日本の大阪本社の直属の上司から、去年の暮に一時帰国した際、居酒屋のカウンターでアドバイスされた時の会話を思い出した。
※ 回想スタート
「少し良いかな? 君の香港での仕事ぶりについては、現地の最高責任者である、初芝(香港)有限公司の山崎社長から、ここまでは肯定的な評価を得ている……」
黙って頷く。
「ただ、問題は君の週末の行動だ。得意先との食事会やカラオケには、最低限参加するが、親睦ゴルフコンペ等には一切参加せず、多額のキャッシュを抱え、金曜日の夜から日曜日の夜まで48時間、時には月曜日の早朝までマカオでギャンブル漬けの日々を送り、現地の日本人駐在員達から、“マカオの帝王”と呼ばれていることも、本社の人事部は把握している……」
ビールで喉を潤し、黙り込む。
「ただ、これまでのところは、山崎社長からの高評価と、私からの助言で、辛うじてそれを “イエローカード”に留めている訳だ……」
「その、“助言”というのは?」
「あぁ、何も特別なことを言った訳じゃない。一般論として、独身や単身赴任の駐在員が身を持ち崩し、“強制送還”される憂き目に合う理由は、大きく分けて二つ、“色”と“欲”だ。噛み砕いて言うと、オンナかカネだ! その原則に従うと、君の“マカオ狂い”は非常に危ない訳だが、噂ではトータルで勝ち越しているそうだが、それは本当かね?」
「それは、その通りです」と答える。
「それは重畳だ。これからも、手持ちの資金の範囲内で回し続けることだ。もし、万が一、会社や同僚、はたまた怪しげな金貸し業者から借金しているらしい……、といった噂が聞こえてきたら、即“強制送還”だから、肝に銘じていてくれ! それと、“オンナ”だ。君は身長も有るし、見かけもマァマァだ。その上、単身赴任で、カネと時間がたっぷり有るとなると、夜の店では綺麗どころに、さぞかしもてることだろう。けど、それに溺れては駄目だ! そうした女性と付き合うにはカネがかかる! 週末はカジノ三昧! 平日はクラブ三昧! では、イエローカード2枚のレッドカードで即一発退場だよ! だから、私から人事部には、『女性問題は一切無い! 日本で暮らす新婚の奥さんとは、連絡を取り合い、良好な関係を継続しており、行きつけの夜総会や、夜の蝶、等はまったくいない!』と啖呵を切っている訳だ。これは間違いないんだな?」
「ええ、間違い有りません。バカ高い香港の夜総会で、カエル顔の小姐と不味い水割りを飲む位なら、マカオでトランプしている方がマシです」
「了解だ! これで一安心だ。なーに、“悪名は無名に勝る”と言うしな。それじゃ、今夜はとことん飲もうじゃないか!」(24時間、戦えますか? のメロディが脳内に流れる)
回想終了。
次に、【オペレーション:マリア】を脳内でシミュレーションしてみる。
■ ピナトゥボ火山の噴火も落ち着いた8月中旬、夏休みをマリアちゃんとデートする為、マニラ入りする。ホテルは当然、カジノの有る“パビリオン・ホテル”。
クラブ・マカティに電話し、マリアちゃんと話すことが出来れば、同伴は問題ない筈。
但し、一緒に店内に足を踏み入れた瞬間、初芝(フィリピン)の面々と鉢合わせる可能性が25%、その後、「マカオの帝王、フィリピーナの虜になり、マニラに現れる!」との噂が初芝グループ内を駆け巡る可能性が60%、うーん、宜しくない。
サングラスでもかけるか?
駄目だ、ますます怪しい……。
こんな時、互いに携帯出来る電話を持ち、それでいつでもメッセージを送ったり、時にはお互いの顔を見ながら話すことが出来たりすれば、どんなに良かったか!
(まさか、それが10年たらずで実現するとは……)
それと、もう一つ問題が有る。
空き時間は当然カジノでプレイする訳だが、“パビリオン・ホテル” 何ぞでプレイしていると、80%の確率で “マニラの皇帝” と顔を合わせることになるだろう。
それもまずい。
“悪事千里を走る” と言うし、あっという間に、日本の本社まで、有ること無いこと尾ひれが付いて、伝わることだろう。
それで目出度くレッドカード、一発退場だ!
やはり、“マカオの帝王”として、地域限定に徹する方が良さそうだった。
マリアちゃんの顔が霞んできた……
バスタブを出て、歯を丁寧に磨き、勝負モードとなる。
別に10万ペソでも良かったのだが、手持ちの30万ペソ全てをポーチにしまい、タバコ、ライター、爪楊枝、の三点セットを確認し、“約束の地” へと向かう。
『BJコーナーの隅っこ、隅っこ……』
いた!
“マニラの皇帝” 発見!
早くも1番BOXに陣取り、準備万端の様子。
そして、驚いたことに “石田先輩” も発見する。
何故か、真ん中のBOXに座っていた。
「時間通りですね。ところで、今晩の“BJ勝負”だけど、この噴火の影響で外には出られないので暇だし、誰か一人位、観客と言うか、審判がいた方が良いかな? と思い、勝負には参加しないけど、真ん中に座って観戦させて貰う事にしたよ。ディーラーもOKだそうだ」
納得して、BJをプレイする際のいつもの指定席、“サード・ベース”に腰を下ろす。
ポーチから、500ペソ札200枚ピッタリを両替する。
日曜日の夜で、客も疎らだったことから、この卓は日本人で貸し切りとすることをカジノ側に了解して貰う。尚、テーブルのMin:500ペソ、Max:10,000ペソで互いに合意し、女性ディーラーがシャッフルに入る。
カットカードが差し出されたが、互いに遠慮していると、真ん中の席の石田先輩が手を伸ばし、慣れた手つきでカットする。
「少しは、審判らしきことをしないとね」と石田先輩が呟く。
そしてどちらかがパンクするか、又は手持ちを午前12時までに30万ペソに早く増やすかを競い合う、“BJ勝負”がスタートした!
⑧ へ続く
https://www.resocasi.com/res/report/detail?id=2083
2022/11/03(Thu) 17:00
くるくる
マカオの帝王さん、
こんにちは!
次で勝負決着でしょうか?!
⑧が楽しみです。
忘年会?に参加したいけど四国はムリ笑(^O^)/
2022/11/03(Thu) 20:13
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
火山爆発で即、出国かと思ったら“BJ勝負”してたんですね・・。
忘年会のメニューですが、8800円の「とと喝コース」を予約+当日に食べたい一品料理を追加するのが良いかなと考えていますが、ご希望をお聞かせください。
宿泊するのなら、大浴場のある駅前のホテルサンルート徳島がお勧めです。
https://www.sunroute-tokushima.com/
くるくるさん、徳島はマカオより近くて、陰性証明も要らないよ。☆
2022/11/07(Mon) 20:23
マカオの帝王
くるくるさん、こんばんは!
次の【BJ編】で終わりですが、少し長くなりそうなので、2回に分かれる予定です。
飛び石連休で、大阪にポーカー遠征していた為、返事が遅くなりました<(_ _)>
2022/11/08(Tue) 01:04
マカオの帝王
マリタイムさん、こんばんは!
一品の追加としては、当方・・・牡蠣若しくは海老、リン・・・鮑、等が有れば希望します。
尚、リンはアルコールが(幸い)NGなので、クルマで拠点まで移動出来る為、宿泊は不要です。
※ 11/3(木)~11/6(日)に、大阪ミナミで開催された、全てエントリー数:30名前後の中規模トーナメント(参加費:4~8千円、賞金総額、約10万円弱)に参加した結果です。
海外や東京で大規模トーナメントが開催中のことも有り、やや控えめなトーナメントばかりでしたが、やはり各テーブルに、所謂、“鉄強” と呼ばれる剛腕プレイヤーが1~2名はいました。
彼らとの直接対決を回避しつつ、初心者~中級者を確実に仕留め自己の養分とする作戦が功を奏し、“鉄強” の皆さんが 中盤で “コイン・フリップ” に巻き込まれ、姿を消した為、3大会全てで“ヘッズ・アップ”=最後の二人、に残るという “快挙” を達成しました。
そこまでは、重畳だったのですが、ヘッズアップのお相手は殆ど馴染みのない、若者(尤も最近は何処に行っても、殆どのプレイヤーが、自分と比較するとそうなるのですが……)でした。
(注)後で聞くと、相手A・・・オンライン・プレイヤー、相手B・・・リング・プレイヤー
相手C・・・地下・プレイヤー、とのこと。
寄る年波には勝てず、最後は若者に押し切られ、三大会全て、 “Runner Up(準優勝)” で終了し,
各種シート&ポイントを獲得して、四国に戻りました(^^)/。
2022/11/08(Tue) 10:19
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
準優勝でも凄いと思いますが、そこまで行ったら優勝できなかったのかというのが、
プレイヤーの偽らざる気持ちでしょうね。
マカオの帝王さんがポーカーのレポートを書く日も近そうです。
なお、とと喝は僕も初めてなので、一品料理は当日のお楽しみということで。
2022/11/08(Tue) 11:13
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
食べログで、2022年3月にとと喝に行った人のレビューの写真に一品メニューがあり、
車海老おどり、鮑お造り、車海老塩焼き、鮑バター焼き、車海老天ぷら、牡蠣(酢牡蠣・カキフライ)、さくら海老のかき揚げ、と書いてありました。(^O^)/
https://tabelog.com/tokushima/A3601/A360101/36000235/dtlrvwlst/COND-0/smp1/?smp=1&photo_count_per_review=1
2022/11/10(Thu) 00:07
マカオの帝王
マリタイムさん、こんばんは!
牡蠣も鮑も有るとは! これでリンも “無問題” です。
鮑、と言えば、昔香港に駐在中、日本人観光客(10名)が、香港で有名な “鮑大王” の本店で食事し、時価! の鮑を含む、海老、上海蟹、紹興酒、老酒等で散々飲み食いした後、日本円で、約100万円を請求されたという “事件“ が有りました。さすがに高い!! と明細を要求すると、鮑以外の全てで約10万円(一人約1万円で許容範囲)だったのに対し、時価の鮑(だけで)約90万円! だったそうです。(日本で良かった)
2022/11/10(Thu) 17:18
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
「時価の鮑(だけで)約90万円!」の話を聞いて電話してみました。
マリタイム「忘年会を考えていますが、12月は鮑と牡蠣はありますか。」
お店「あります。」
マリタイム「鮑は一人いくら位の予算を見ておけばよいですか。」
お店「刺身で一個5000円くらいです。」
マリタイム「じゃあ決まったら電話します。」
ネットのレビューを見ていると、コースだとお腹いっぱいになって一品料理が食べられないので、
コースはやめて、鯛めし(2合、3~4人前)+一品料理にしようと思っています。
2022/11/10(Thu) 19:10
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
12月5日(月)は予定が入ったので外してください。
また、日曜日は定休日になります。
あとカジ郎さんから、マカオの帝王さんのメールと電話番号を教えて貰ってもいいですか。
2022/11/10(Thu) 22:09
マカオの帝王
マリタイムさん、こんばんは。
当方のメール&電話番号については、カジ郎さんにお尋ね下さい。
>カジ郎さん、宜しくお願いします。
日程については、直接やり取りして決めましょう。
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