リゾカジ カジノレポート

旅打ち夫婦紀行 「ガンビア」 編

* その他のエリア 2010/ 08/ 06 Written by TAHARN

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【前篇】「何でもありの場末リゾカジ」

旅打ち夫婦、セネガルからガンビアに移動しました。
ガンビアはアフリカ大陸の西岸に位置し、大西洋に面した海岸線以外はセネガルに囲まれています。面積は新潟県くらい、アフリカ大陸最小の国です。イギリスの植民地でしたが1965年に独立しました。古くは奴隷貿易で栄え、アレックス・ヘイリーの「ルーツ」で有名になった「クンタキンテ」の村もガンビアにあります。
セネガルの首都ダカールからガンビアまでは200Km足らずの距離ですが、移動には二日もかかってしまいました。西アフリカは公共交通機関に乏しい地域で、移動はミニバスか、乗り合いタクシーのみ。これが想像を絶するボロ車ばかり。バスターミナルを初めて見たときには「スクラップ置き場か!」と思いました。

時刻表はなく、満員になったところで発車、客が集まらないといつまでたっても出発できません。我々も朝一番でターミナルに着いたものの、客の集まりが悪く、発車したのは午後2時過ぎ。6時間半も待たされてしまいました。ボロ車に客や荷物を詰め込んでガタガタの道を走るので、パンクや故障は日常茶飯事。国境に着いたときにはすでに真夜中。国境近くの宿に一泊し、翌日の昼ようやく首都のバンジュールに入りました。


バンジュールは首都とはいえ、あまりにも小さく、政府系の機関と小さな市場があるだけです。ガンビア最大の町は海岸沿いのリゾート、セレクンダです。「西アフリカで最も美しい」と政府が宣伝するビーチにはホテルが立ち並び、冬場にはヨーロッパからの避寒客で賑わっています(地中海沿岸のリゾートに比べると場末感は免れませんが・・・)。

カジノはセレクンダビーチの中心部、コロリ地区に2軒あります。まずコロリ地区中心部の”Kololi Casino ”へ。レストランやバー、ナイトクラブを備えた”Kololi Casino Complex”内にあります。カジノは夜9時からの営業。9時半過ぎに入場しました。入口はフリーパス。セキュリティチェックもレセプションもクロークもありません。カジノエリアに足を踏み入れると、客はゼロ。暇を持て余したディーラー達が座ってテレビを見たり、おしゃべりしたり。我々が入っていってもテレビを見続けています。「やる気のないカジノだなあ・・・」。チップはキャッシャーで購入。テーブルのチップはガンビアダラシ(1ダラシ約4円)。米ドル、ユーロ、英ポンドで換金できます。換金分のダラシは手数料なしで再両替可能です。最高額チップが500ダラシで、$2000換金すると500ダラシチップが約40枚。チップラックの用意がなく、持ち運びが大変でした。

カジノフロアは小規模で、ルーレット×2、ポーカー×2、BJ×2。奥にはVIP POKER ROOMがありました。BJのテーブルを開けてもらいます。
MIN100ダラシMAX1000ダラシと、ゲーセン並みのレート。
6デッキハンドシャッフルNH。S17、DOA、DAS、RSA、サレンダー有でした。
DISCARDはなしでゲームスタート。

これがとんでもないテーブルでした。ディーラーは皆未熟で、足し算や払い戻しの間違いはしょっちゅう。客の方も、ディールが始まってからチップを増やしたり、空いてるボックスに追加したり…でたらめぶりはディーラーといい勝負です(いずれもお咎めなし)。サレンダーするときは客が自分でチップを半分引っ込めます。ドリンクは有料。ヒマなので、ドリンクを配り終わったウェイトレスが後ろで見物しています。ピットマネージャーは煙草を吸ったりサンドイッチを食べたりしながら他のディーラーと雑談。私服を着ているので、客がピットに入り込んでくつろいでいるのかと思いました。

サードベースの私が張ったチップを見落とし、飛ばしてディール。注意すると、自分のミスは認めず「(お前は)今回はナシだ」とチップを戻されプレー続行。
あまりのデタラメぶりにピットマネージャーに抗議すると、「わかった」。ディーラーを交代させるのかと思いきや、なんと「私が配ります」。ピットマネージャーがディーラーに変身するカジノなんて聞いたことがありません。あっけにとられていると、本当に自分でディールを始めました。無法ぶりはこれだけではありません。ディール中マネージャーの携帯に着信があり、携帯をアゴではさんで通話しながらプレイ続行(しかも自分はBJ)。あきれるのを通り越して「こんなカジノもあるんだなあ・・・・」と感心してしまいました。
小一時間打って少し浮いたところで勝ち逃げ。これ以上打ち続けていたら、無法カジノの毒気に当てられ大敗していたことでしょう。リゾートもピンキリ、思いっきりキリリゾートのキリカジノでした。

【後編】「ディーラーもサル、客もサル。再び場末リゾカジ」


ガンビア二日目。気温38度、灼熱の太陽が照りつける中、これから訪れる「ギニアビサウ」及び「ギニア」のビザ取得に出掛けました。西アフリカはビザが必要な国ばかり。国境や空港での取得は難しく、取れたとしても悪徳役人に多額の賄賂を要求されます。事前に大使館で取得しておくのが基本です。大使館に赴いて申請、金を払って受け取る。それだけのことが、途上国ではしんどい作業です。ガイドブックの地図は間違っていることが多く、現地人はガイドブック以上にあてになりません。炎天下をさまよい歩き、熱中症になりかけました。ようやくたどり着くと、申請書は旧宗主国の言葉であるポルトガル語やフランス語で書かれてあり、ちんぷんかんぷん。なんとか書き上げたら、最短日数で発給してくれるよう、やる気のない役人と交渉です。申請を終えて大使館を出ると、もうぐったり。西アフリカは、この繰り返しでした。

強烈な太陽が沈み、やっと外を歩ける気温になったころ、KOLOLI CASINOに出動。21時開店のはずですが、20時半過ぎにのぞくと既にOPENしていました。例によってディーラーはテレビにくぎ付け。もうこのくらいでは驚きません。勝負の行方よりも「今夜はどんなでたらめぶりを見せてくれるか」の方が興味津々。昨日と同じピットマネジャーが、サンドイッチをパクつきながら「WELCOME BACK!」。期待を裏切らない出迎えです。
BJのテーブルを開けてもらうと、上手(かみて)に地元の中国人が3人座りました。アフリカの辺境でも中国人はしっかり入り込んで商売しています。彼らのたくましさには毎度感服。上客なのでしょう、くだんのピットマネジャーも愛想よくしています。
シャッフル中、ディーラーの携帯電話が鳴りました。勤務中はマナーモードだろ、とあきれる我々を尻目に、さっさとテーブルを離れておしゃべりスタート。ディーラーの私用が優先、客は放置プレーです。交代したディーラーも、BJに慣れていないのかディールが不器用。計算も遅く、思わず「このサル!」とつっこみたくなります。
同席の中国人もディーラーに輪をかけたサルぶり。全く基本戦略を知りません。オヤジ二人は、ディーラーのUPCARDが何であろうと必ずSPLITします。ディーラーのピクチャーに5・5でSPLITも平気。トンデモプレーは見て見ぬふり、を心掛けている私も、思わず「おいおい!」と声が出てしまいます。5・5SPLIT後6→DDでピクチャー また6→DDピクチャーで両方とも21にしたのにはのけぞりました(結局ディーラーがBJで全取られでしたが・・・)。無謀なSPLITでやられても全く学習機能のない二人。サルプレーを繰り返し、負け続けます。上客というわけです。
もう一人のサル、いえ中国人のオバちゃんは妻の上手でプレー。毎回ベットの額に悩み、賭ける前にディールが始まってしまうことがしばしば。ディーラーは「NO MORE BET」と言わないので、後から張ってもおとがめなし。あるとき、また張り遅れたオバちゃん、カードがサードベースの私まで配られたところでベット。「さすがにこれはダメだよ」と思っていたら「OK,OK」。ディーラーが平気な顔をして、カードを1枚ずつ上手にずらすではありませんか。妻のピクチャーがオバちゃんに、私のエースが妻に、ディーラーに行くはずの5が私に(ディーラーはピクチャー)。「そりゃーないだろ!」と猛烈抗議しましたが、なんといっても中国人はお得意さま。彼らの機嫌を損ねたくないのでしょう、適当にあしらわれ、そのままプレー続行です。いくら無法カジノでも、後出しアリなんて…。腹に据えかね、ディーラーをにらみつけていると、険悪な雰囲気を察したピットマネジャーが「PRESENT FOR GUESTS」と小さな箱を配り出しました。むっとしながら開けてみると、ちゃちなサルのぬいぐるみ。ディーラーもサル、客もサル、土産もサル…。見事なオチに言葉も出ません。ペースは完全に狂わされ、1時間余りであえなく撤退しました。

サルカジノにこりごりし、もう一軒のKOLOLI ROYAL CASINOへ。中国人経営のカジノで、スロットマシンコーナーの奥にテーブルゲームのフロアがあります。BJ2台、ポーカー2台、ルーレット1台と小さなフロア。キャッシャーでチップを購入。米ドル、ユーロ、英ポンドをガンビアダラシに交換できます(再両替手数料なし)。
客は皆地元在住とおぼしき中国人で、なぜかフロアの隅で麻雀を打っています。声高な中国語と、ジャラジャラと洗牌する音が交錯し、KOLOLI CASINO以上の場末感。麻雀もテーブルゲームといえばテーブルゲームですが…カジノに置いてあるのは初めて見ました。
Tシャツにジーンズ、こ汚い服装の中国人が話しかけてきました。客かと思ったら、「BJやりたいのか?」。なんと彼がピットマネジャー、早速テーブルを開けてもらいゲーム開始です。6デッキハンドシャッフルNH。SS17、DOA、DAS、サレンダー有り。MIN200ダラシ(約800円)MAX1000ダラシと、ここもゲーセン感覚で打てます。
ディーラーは地元の黒人で、手際はまあまあ、KOLOLI CASINOほどサルではありませんでした。妻と二人だけで調子よくチップを増やし、中国人客が入ってきたところで勝ち逃げ(トンデモプレーヤーに決まってますから)。浮いた分でサルカジノの損失を埋め合わせたら、手元に残ったのはサルのぬいぐるみ一つ(一人一匹ずつ、と押しつけてきたのをなんとか断った)。長旅ゆえ荷物は増やしたくないのですが、なんとなく愛嬌もあって捨てるに捨てられず、結局日本まで連れ帰ったのでした。


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