リゾカジ カジノレポート
澳門黄金週間の旅(前編)
マカオ 2012/
07/
05 Written by
マカオの帝王
■ 4月上旬
マカオへの旅、特にゴールデン・ウィーク(黄金週間)のような繁忙期のそれは、航空券の確保という前哨戦から始まる。
今回の条件は以下の三つ。
①出発日はチケット代金が高騰する4/28以前(=4/27)とする。
②香港で古い友人と会うので、香港経由でも構わない。
③帰国日はやや早目の5/4とする。
関空 ⇔ マカオ間のエアマカオの直行便の方は、ポーカーSNSの会員だと手数料(\2,100)がオフになる、“マカオ・コンシェルジェ” さんに、関空 ⇔ 香港間の格安便(香港エクスプレス)については別のX社にお願いした。
値段は最初X社の方が約2万円安かったのだが、やはり条件①がネックとなり、いつまでたっても往路がキャンセル待ちで、そうこうする内に “マカオ・コンシェルジェ” さんの方の発券のタイムリミットが迫り、ギリギリまで粘ってみたものの、結局X社からは格安での席は確保出来ず、今回は(今回も?)いつものようにエアマカオの直行便でマカオに乗り込むこととなった。
(マカオに強いマカオ・コンシェルジェさんに座布団一枚……)
■ 4月27日(金)
16時50分発のNX837便は定刻通り飛び立った・・・と書きたいところだが、マカオ地区の天候不良の為とかで、結局1時間半ほど出発が遅れる羽目になった。
『前途多難だな……』
当然のことながら予定より大幅に遅れ、大雨の降る中、NX837便は午後10時にマカオ国際空港に到着した。
ゲートを出ると、新顔の皇牌天下のスタッフが、当方のネームカードを持ち待っていた。
まずは今回の前半3日間(4/27から4/30)までの宿泊先であるカサ・リアルホテルへ向かってもらい、チェックインを済ませた後に、この20年来のカジノ仲間のⅠさんと共にリスボアへと向かう。
小腹が空いたので、Ⅰさんと海老炒飯を頼もうとするが、それはメニューから無くなったと言う。
その他にも、当方が好きだったメニューの幾つかが削除されていて、仕方なく卵炒飯とワンタン麺、それにビールを頼む。
その合間に、今回の参加プログラムである、“他ホテル宿泊者用、バカラ38,000$プログラム(御食事券500$分進呈)”の手続きを行う。
1万円=933HK$のレートで1週間ホールド、41万円でノンネゴチップ38,000$と半端のキャッシュ253$分を受け取る。
取り敢えずはこれが当面の軍資金である。
(勿論、予備兵力が他に無い訳では無かったが、今回は、あの “マカオの大王” 事件の余波もあるので、分かる人には分かる筈だと考え、以降、合えて “単位” を省くことをご了承願います)
閑話休題
※ ご注進、ご注進……、あの、自称 “マカオの帝王” ですが、ネットによればまたまた噂のマカオに大金を持ち込み、怪しげな連中とバカラ賭博で派手な勝負をした結果、XXX万円負けた(勝った?)らしいですよ……、ご用心、ご用心。
とまぁ、このように益体も無い噂話の好きな下賤の輩はどこにでもいるもので、彼らにとっては勝負のプロセスなどどうでもよく(どのみち理解不能)、最終的な結果のみに第三者的な関心がある、といったケースが殆どである為、一種の煙幕として、ゲーム中の勝敗については数字のみ記しますので、その “単位” としては、韓国ウォン、日本円、フィリピンペソ、香港$、マカオパタカ、人民元、€、米$等、何でもご自由に想定願います。
さて、腹ごしらえも済み、ノンネゴチップでのバカラが始まる。
張るのは全てバンカー! ただ只管バンカーに賭け続ける。
いつもはハウス・プレイヤーに転がされるのに、今回は何故か調子が良い。
5回に3回はバンカーが勝つ。
ゲーム開始後約1時間でキャッシュチップが3万8千ちょうどになる。
『よし、これで負けは無くなった。残るノンネゴチップは1万3千! これをキャッシュチップ2万に持って行くぞ!』
4千ずつ賭ける。
BBPBBPで4勝2敗。
更にキャッシュチップを15,200上乗せするが、ノンネゴチップはラストの5千となる
『よし、ここだ、これでラスト!』
残るノンネゴチップ5千に黄色いキャッシュチップ100を乗せて5,100をバンカーに張る。
バンカーは枠と足有り。
ハウス・プレイヤーにオープンを促すと、絵札と7。
やや厳しいが気合を入れ直し絞る。
3ピン。
一つ付いた。
一気に絞る。
二つ目も付いた。
配当の4,845を受け取る。
惰性で次ゲームもバンカーに張るが、これはプレイヤーのナチュラル9であっさり終了。
『今日のところは、皇牌天下(エリートルーム)にいつも巣食う魔物はどこかに出払っていたようだ……、願わくばこの黄金週間の期間中ずっと戻ってきませんように……』
リスボアグループ内で使える御食事券500$分も受け取り、Ⅰさんと宿泊先であるカサ・リアルホテルに戻る。
このカジノで唯一の、ミニマム100のBJ台に座る。
ここは前回嫌な負け方をした縁起の悪いテーブルであったが、カサ・リアルにはBJは1台しかないことと、同行者のⅠさんがさっき少し勝ったとかで、取り敢えず当方が左端から3ボックス、Ⅰさんが真ん中でゲーム開始。
5ボックスに300、6ボックスに500、7ボックスに800でスタートするが、マァマァ調子が良いので400-600-1000にアップする。
順調に勝つ。
すぐに勝ちが1万を超える。
ディーラーのアップカードは弱い6、5ボックスに18、6ボックスに11、7ボックスに88と勝負手が入る。
当然6ボックスはダブル! ここは9で20となる。
勝負を左右するラストボックスはスプリット、最初はAで19、次はまたもや8が入り再スプリットとなる。
最初は絵札が入り18で確定、ラストは3で勿論ダブルとなる。
絵札が来るよう、ポーカー用の丸い金属性のカードプロテクターでテーブルを “コンコン” と叩く。
其の甲斐あってか、美しい絵札が入る。
『さぁ、飛んで貰おうか、17でも大歓迎!』
けど、そこまで甘くは無かった。
6+4+2+3+6=21!
最後のみプッシュで他は全滅……。
『くっ、これに勝てば2万の勝ちだったのに、結局1万止まりか……、けど、悪天候の中、1時間半のディレイで初日の勝負が始まったことを思えばここまでは上出来だ。同行者のⅠさんも少しだがプラスのようだし、ここらで手仕舞うとするか……』
チップ整理をしてテーブルを後にする。
こうして、澳門黄金週間の初日はプラス3万で幕を閉じた。
■ 4月28日(土)
午前8時半、目が覚める。
昨日眠りについたのが午前4時頃の為、4時間半しか寝ていない訳だが、脳をリセットするだけなら約90分の基本睡眠サイクル×3回分=4時間半も眠れば十分だ。
シャワーを浴びてⅠさんとカジノに出撃。
まずは宿泊先であるカサ・リアルの平場のBJ台でプレイするが、調子が出ず5千負ける。
これはいかん! と同じフロア内のバカラで2600ずつバンカーにベットし、2連勝で取り返す。
Ⅰさんと作戦会議の結果、BJメインならエースの再スプリットが可能な、当方お勧めのMGMが良かろう、ということになりタクシーで移動する。
久しぶりのMGM、確かにBJ台は多数空いていた。
しかし、ディーラーもいない。
どうやら10時位からオープンするらしい。
それでは! と中西料理(=中華料理&西洋料理)が売り物の「食八方」で腹ごしらえを選ぶ。
スパゲティ・ボロネーズ、点心、菜、コーヒー、ビールと適当に頼む。
(残高が幾らか、確かめたことはないが、今回も支払いはMGMのメンバーカードでOKだった)
食事が終わり、ミニマム200の台でBJスタート!
左コーナーの3ボックスを400-600-1000の帝王式で攻める。
前回の遠征ではさっぱりだったMGMでの帝王式BJだが、今回は一応機能し、前の二つがバストしても、何とか最終ボックスが踏み止まり、少しずつだが増える。
勝ちが1万を超え、2万に迫ろうかという時、ディーラーの手痛い反撃(5+5+1=21、別名“ゴーゴーイチの難波蓬莱”攻撃)を喰らい、潮目の変化を感じてジャストプラス1万で撤収を決定。
タイパ島に新しくオープンしたカジノ(サンズのヒマラヤとか言うやつ)を覗きに移動する。
人でいっぱい……
しかもBJ台はミニマムが500からで、当方は“無問題”だったが、ローローラーのⅠさんには敷居が高く、結局プレイせず出る。
『確か、COD(シティ・オブ・ドリームズ)には300の台があった筈……』
と思い、徒歩で移動する。
有るには有った。
但し、何故かボックスが5つしかない……。
そしておかしな *13プラス、もしくは*13マイナス、のいずれかがでれば等倍という、妙なサイドベットが……。
(13はハウスの勝ち)
試しに本線に1000、13プラスに100をベットしてみる。
1枚目は10、2枚目は5が入る。(ディーラーは8)
サイドベットは勝利したが、本線はヒットしてバスト。
何だか馬鹿馬鹿しくなり、それ以降サイドベットせず。
(そもそもサイドベットとは、負けても良い小額のチップが、時々とはいえ10倍前後に増えるから面白いのであって、当たっても等倍では興醒め……)
肝心の本線の方も、初めてプレイする5ボックスに今一馴染めず、ずるずるとチップを減らし、結局MGMの勝ち分を吐きだしたところで席を立つ。
ⅠさんとMGM行きの無料シャトルバスに乗り、タイパ島脱出。
『どうもタイパ島側では勝てないな……、やっぱり自分はマカオ半島側が勝負場の、古いタイプの人間ということか……』
程なくバスはMGMに着いた。
BJ台は空きが無い。(若しくはディーラーがいない)
仕方が無いので向かいのウィーンへ行こうとするが、出口付近でマシンのバカラ台を発見する。
遊びで400を投入し、バンカーに張る。
勝つ。
次もバンカーに800を張る。
勝つ。
次もバンカーに1600を張る。
勝つ。
次もバンカーに3200を張る。
勝つ。
ここでバンカーへの張りを1000に落とす。
負ける。
Cash Outのボタンを押す。
5400と印刷されたレシートがプリントアウトされる。
これを清算機に投入すると現金が出てきた。
『何ともあっさりしたものだ……、とにかくCODの負け分の半分が戻ってきたから良しとするか?』
MGMを出て、対面のウィーンへ。
ここは雰囲気は良いのだが、何故か千$チップを用いず、安っぽい500$チップを大量に用いたプレイを強要される為、腰を落ち着ける気になれない。
和食の岡田の壁にいつも掛かっている、5-7-5調のおかしな日本語を横目に見ながら、徒歩でグランドリスボアへ。
まずはグランドフロアの左側にある禁煙コーナーのBJ台で軽く肩慣らし。
あっさりと5千勝ち、気分を良くしてエスカレーターで上に登る。
ポーカー(リング)のコーナー横の、ミニマム200でBJ再開。
去年の8月の“BJ天国”が脳裏をよぎる。
左側3ボックスを用いて、帝王式でガンガン攻める。
ディーラーがバンバン飛ぶ。
あっという間にプラス2万を達成するも、そこから5千減らしたところで、今一調子の波に乗れないⅠさんが、例によって “戦線離脱” を宣言し席を立つのを受け、当方も撤収を決める。
唖然とするディーラーを尻目に、一旦カサ・リアルに移動し休憩を取る。
午後7時、Ⅰさんのお気に入りの、ロイヤルホテル裏手にあるタイ料理店へタクシーで向かう。ここはかれこれ20年以上も前から、“マカオの帝王御用達”の由緒あるローカル料理店である。
店に到着、しかし満員で一時間待ちとのこと。
Ⅰさんと相談するも、明日の夜再訪することにし、本日は当方の御食事券が使える、グランドリスボア内の麺屋に決定。
ここのお勧めは40$のカールスバーグの生ビールだ。(ハイネケンは何故か45$)
通常の2倍分が入った、冷えた巨大グラスを一気に飲み干すと、ほろ酔いモードに突入した。
適当に頼んだ麺と具と点心を平らげ、二人で288$、100パタカの御食事券3枚を出し、席を立つ。
その後は空中廊下を渡り、リスボアの皇牌天下(エリートルーム)へ。
顔を出したからには、少しはバカラをプレイしなければ、とスタッフを呼び、2万ばかしローリングを頼む。
顔見知りのリゾカジ・メンバーと軽く世間話をしながらプレイスタート。
途中経過を良く覚えていないが、バンカー優勢に推移したことは確かで、終わってみれば2万のノンネゴチップは、キャッシュチップ2万5千に換わっていた。
カサ・リアルに戻るというⅠさんを送り、当方は今回まだプレイしていないポーカーに挑む為、再び空中廊下を渡りグランドリスボア上階へ。
最初は様子見でブラインドが10-25のテーブルを希望するも満卓だという。
こちらが黙っていると、ブラインドが25-50のテーブルなら空きがあるが、バイイン額がその分高くなるが大丈夫か? と尋ねてくる。
財布をチラッと見せる。
失礼しました! とばかりに後ろに下がる。
結局、MAXの15,000バイインで25-50のテーブルに座る。
まずは周囲のプレイヤーの観察。
余りMAXで入る者がいないのか、平均スタックは8千前後、白人が2名、後は中国人(日本人はいなさそう)
最初は恐る恐るリンプで参加する。
少しベットすると、当方のチップ量(約15,000)若しくは着ているCerruti1881のスーツへのリスペクトからか、皆さん降りてくれる。
徐々にチップが増える中、モンスター(Kingのペア)降臨!
全員に降りられると面白く無いので、やや多目(200)に打ちながらお祈りする。
二人がコール。
『ポーカーの神様、フロップでエースが落ちませんように。出来ればもう1枚Kingが落ちてくれますように。それから妙なドローも付きませんように……』
いろいろと欲張りなお願いであったが、日頃の行いが良いせいか、ほぼ聞き入れてくれた。
フロップ;K、8、2 (Kと2がハート)
『やった! エース無し、キングのセット(俗に言う3カード)完成。 ストレート目も無し、怖いのはハートのフラッシュだけ……』
ほぼポットを打つと一人はフォールドするも、最後に残ったBBの白人からレイズ(1500)が飛んでくる。
当方オールイン!
相手もオールイン!
相手は予想通りハート2枚のフラッシュドロー。
こちらのKKを見ると一瞬怯むが、ターンでハートのエースが出ると大声でガッツポーズ!
『引かれたか……、けど、まだ捲くり目は十分有る。残り1枚のキング、それと自分のハンドをフルハウスに昇格させてくれる、それぞれ残り3枚ずつある筈のエース、2、8、全部で10枚、どれでも良いから頼む!』
リバーでエースが落ちる。
当方のフルハウスが完成する。
天を仰ぐ白人……。
白人のチップ(約8千)を獲得する。
久しぶりのポーカーの醍醐味も味わったので、ディーラーにプレイ終了を告げる。
ポーカーの勝ちは1万と75。
ポーカー用のキャッシャーで現金に換え、グランドリスボアを後にする。
タクシーでカサ・リアルへ移動中に考える。
『初日がプラス3万、二日目がプラス4万か……、ここまでは順調だが、これがどこまで続くものか? 何とかマカオに巣食う魔物には、今回は最後まで大人しくしていて欲しいものだ……』
昨日と同じく、午前4時過ぎに眠りに落ちる。
■ 4月29日(日)
グルメでもあるⅠさんの提案で、グランドリスボア内で洋食を食べることにする。
12時にまずミシュランで星を取ったというフレンチの名店 “ロブション” に飛び込みで行くが、予約で満席とのこと。それではとイタリアンの “ドン・アルフォンソ1890” に向かうとこちらは空いていた。
『マカオの帝王、Cerruti1881のスーツを着て、Don Alfonso1890でランチを食べる、か……』と一人呟きながら店内に入る。
メニューを見る。
ランチは2皿コースが280$、3皿コースが380$、4皿コースが480$と手頃なお値段。
香港人の若い女性グループなどは2皿コースをチョイスし、雰囲気を楽しんでいる模様。(互いに写真を撮っては喜んでいた)
店の男性スタッフが現れ、イタリア訛りのある英語で「料理はよほどお腹が空いているのでなければ、この3皿コースで十分です。メインはチキンがお勧めです。それとワインですが、この辺りが宜しいかと……」
食事には拘りが無いので、言われるままにメインがチキンの3皿コースを選ぶ。
ワインはⅠさんにお任せするも、当方からの注文はただ一つ、「1500$未満のにしてね…」
それを受けⅠさんが、銘柄は忘れたがお勧めの中から1300パタカの赤ワインを選択する。
焼き立てのパンがバスケットにいっぱい出てくる。
この店の雰囲気は素晴らしいのだが、量がやや物足りない為、普段は余り食べないパンにオリーブオイルを付けてパクパクと食べ、お腹を膨らませる。(パンは美味しい)
赤ワインもなかなかいける。
満ち足りた気分で食事を終え、戦闘開始!
まず、BJ台に座り、ランチ代をベットする。
勝つ!
その後も少し勝ったが、ワインの酔いが回ってきたので、ホテルに戻り昼寝をすることにし、プラス5千で一旦終了する。
暫しの午睡の後、カサ・リアルでⅠさんとBJをするも、一進一退でプラマイゼロ。
それでは、とバカラをすると5千負ける。
戦況が芳しくないので、少し早めにⅠさんのお気に入りのタイ料理屋に移動することに決定。
今日も結構混雑していたが、何とか座ることが出来た。
いつも定番のトムヤムクンのスープと、味付けミンチ?と白ご飯、それに海老団子とビールをオーダーする。
今から20年以上前の香港駐在中も、幾度となくこの店のこの場所で、Ⅰさんと食べたことを思い出す。
大勝した時に、ホテルの高級レストランでフルコースを食べた記憶は何も残っていないのに、完敗した時に、財布の中に僅かに残ったヨレヨレのマカオパタカと小銭入れの中のコインを数えながら、Ⅰさんと反省会を兼ねここで食べた時の記憶が、独特の香りと共に蘇ってきた。
マイタン(お勘定)する。
二人で約400$、割り勘で店を出る。
タクシーでMGMへ移動する。
ⅠさんとBJ台に座るが、流れが良く無くマイナス5千で手仕舞い。
それでは! と昨日調子の良かったマシンバカラに挑むが、千ずつ5連敗で昨日の儲けを吐き出す。
Ⅰさんがホテルに戻ってミニマム100のBJ台でプレイすると言うのでここで別れ、一人対面のウィーンへ。
独特の甘い匂いに包まれたポーカールームへ入る。
ブラインドが25-50のテーブルにバイイン10,000で入る。
ちらっと見ただけなので、見間違いかもしれないが、奥の方にはブラインドが何と、2,000-5,000! のテーブルが稼動中で、ほぼ全員が数百万$のチップをうず高く積み上げてプレイしていた。
『あれは一体何の集まりなのか? バカラならともかく、ポーカーであそこまでの大金を賭けるとは……、まぁ人は人、自分は自分の道を行くだけだ!』
取り敢えずゲームスタート。
開始後10分、ハートのAと8という、バカラなら最強の組み合わせが入ったので300打つとSBのおっさんからレイズ1,000が飛んできた。
降りるのも癪なのでコールする。(他のプレイヤーは全員フォールド)
フロップ;A、A、9(ハート無し)
Aのトリップスが出来たので、様子見で1,000打つとおっさんから再びレイズ3,000が飛んできた。
『うーん……、おっさんのハンドがA9以上なら負けだ。けど、そもそも、この目の前のおっさんはAを持っているのだろうか?』
直前のおっさんの行動を振り返ってみる。
何やらしきりに携帯を見ながら、時間を気にしていたことを思い出す。
『おっさんにAは無い! ほぼブラフだ。現状勝っているのはこっちだ!』
リレイズ・オールインを宣言する。
おっさんもオールイン!
向こうのハンドはただのK9!
こっちのAを見て意気消沈するおっさん。
ターン、リバー共にラグで、そのまま当方の勝利!
座って僅か10分でダブルアップする。
『どうやら、今日はウィーンにお金が落ちていたようだ。どれ、もう少し拾うとするか?』
けれど、そこまで甘くは無く、その後は小さなポットを取ったり取られたりで、さして変化の無いまま、結局プラス1万で終了。
ウィーンを出て、タクシーでカサ・リアルへと移動する。
『一日単位の連勝はストップしたが、今日はとにかく凌ぎ切った。今回のように長丁場の遠征では、大勝利は無くても良いが、今日みたいに流れの悪い時も何とか凌ぐことが重要だ。その意味においても、最後のウィーンのポーカールームはラッキーだった。それを感謝しつつ、今日は眠りにつくとするか……』
連日の疲労の蓄積からか、部屋に戻ると同時に深い眠りに落ちた。
■ 4月30日(月)
NHKの海外放送版の「梅ちゃん先生」を見ながら、これまでに獲得したお札を、向きを揃えながら発券銀行別にグループ分けするという、“帝王式リゾ”をベッドの上で愉しむ。
今日でこのカサ・リアルホテルともお別れだ。
チェックアウトの準備をする。
※ カジノは昼過ぎに一旦手仕舞いとし、16時のフェリーで香港に渡り、九龍半島側の佐敦(Jordan)のMTRの構内で当方及びⅠさんの共通の香港人の友人4名と合流し、19時から近くのホテルで久しぶりの夕食会(支払いはここまでのカジノの結果等を考慮して、当方が三分の二、Ⅰさんが三分の一、香港人側は免費と決定)で、食事が終わるとⅠさんは香港発の深夜便で関空へ、当方は九龍発の同じく夜行便で再びマカオへ戻る、というのが本日の予定である。
取り敢えず、お膝元のカサ・リアルの平場でプレイ開始。
恐らく今回の遠征で最後となるⅠさんとのBJの共闘であったが、流れが悪くチップを削られ、結局マイナス1万で終了。
其の後、同フロア内のバカラで挽回を図るも、更にマイナス5千と傷口を広げるだけに終わる。
何だか不完全燃焼のまま、リスボアホテルに移動する。
皇牌天下(エリートルーム)に荷物を預けた後に、同じリスボアホテル内の高級中華レストラン「日麗」で飲茶を食べる。
各種点心等、大変素晴らしかったが、残念なことに直前の勝負が負けだったので、余り美味しく感じられなかった……。
飲茶終了、気を取り直して皇牌天下へ戻る。
ここでは当然のことながらバカラをプレイ。
調子はマァマァ、行って来いでローリングが進む。
スタッフに確認すると、何でも後4万のローリングで、マカオ → 香港間の豪華位(スーパー・シート)のフェリー・チケットが貰える、とのこと。
それに釣られて追加のローリングを申し込む。
日本人(リゾカジメンバー?)らしきプレイヤーが一人で淡々とプレイ中のテーブルに座り、最初に一言「当方は毎回バンカーにしかベットしませんが、気にせずプレイして下さい」と断ると、「あぁ、もしかして有名な “マカオの帝王” さんですか? 自分は“H”と言います。 僕も殆どバンカー派なので、宜しくお願いします……」とのことで、ゲーム開始。
ベット金額は当方の方が多いので、毎回絞ることになる。
BBBBBBPBBB!
10戦してバンカーの9勝1敗!
殆どがナチュラルもしくは4~7の条件付きで、3枚目を絞ることなくあっさりと勝利する。(いつもこうだったら楽なのになぁ……)
これから香港経由で転戦の予定だという “H” さんは、最後に「有難うございました!」の声を残して、意気揚々と部屋を後にした。
その時点では当方も3万オーバーのプラスであったが、その後ハウス・プレイヤーの逆襲を喰らい、結局プラス2万で終了する。
『まぁ良い、午前の負けは挽回してお釣りが出た。リゾカジメンバーにも良いところを見せることが出来たし、無料のフェリー・チケットもゲットした。その上ローリングの1%も進んだし、これで上等だ……』
午後3時半、Ⅰさんとエリートルームのリモに乗ってフェリーターミナルに向かう。
Ⅰさんは、「どうせ着くのは同じだから……」と経済位(エコノミー・シート)へ。
当方の豪華位では簡単な食事が出てきたが、今からディナーの為まったく口を付けず。
『Ⅰさんは正解だったな……』
そんなことを考えながら、うつらうつらしている内に、フェリーは今まで200回以上来た事のある、上環のフェリーターミナルに到着した。
イミグレを通過し、MTRに乗り込む。
確か8.5$だった筈なのに、10$札を入れてボタンを押すとやけにお釣りが多い。
『しまった、子供用の半額を押したかな?』
もし見つかったらどうなるのかと心配したが、混雑の中、何事も無く、佐敦(Jordan)のMTRの改札口を出る。
一安心するも、待ち合わせまで少々時間があるので、“買い物天国”の香港でショッピングにトライする。
買うべきものは、Cerruti1881のスーツの下に着る着心地の良いシャツ1枚。
素材はシルクで、チップを入れることもあるので胸ポケットは必須。
柄は日本では普段売っていないような派手な感じで、色は鮮やかなブルー系統。
時間は十分あるので、駅周辺の服屋を回ると、条件にピッタリのシャツを見つける。
触った感じと、羽根のようなデザインが気に入りその場で購入。
その後、待ち合わせ場所で仕事帰りの古い友人(4名)を待つ。
「ハロー! ミスターXXX!」
懐かしい声が聞こえてきた。
その後はⅠさんと、香港人の “老朋友” 4名と、英語/日本語/広東語/北京語のチャンポンでお互いの近況を語り合いながら、広東料理のディナーを食べる。
6人がお腹いっぱい食べても、Don Alfonso1890の赤ワイン1本分とほぼ同じ値段だった。
その後、Ⅰさんはエアポート・リムジンバスで香港国際空港へ。
当方は残った香港人とマカオ行きのフェリーが出るハーバーシティへ向かう。
亜熱帯独特の蒸し暑い空気の中、九龍の雑踏を歩いていると何だか20年前にタイムスリップでもしたような気分になった。
けど、人は過去には戻れない。
現在(いま)に留まることも出来ない。
出来ることはただ一つ、未来に向かって進むだけだ。
古い友人に別れを告げ、22:30発のマカオ行きフェリーに乗りこむ。
船内での暫しの休息のあと、慣れ親しんだマカオの灯りが目に入る。
フェリーがマカオに到着する。
イミグレを通過する。
いつのまにか日付も変わった。
“帝王的暇日” はこれにて終了。
“澳門的日常” が再び始まる。
*このレポートはリゾカジ.SNSの日記を転載したものです。
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