ホールデムポーカーの極意書

第二之巻 ホールデムポーカーのベッティングルール
テキサスホールデムのベッテイングの方法について説明する。ゲームによって決められたルールがあるので注意してほしい。
リミットホールデム
リミットゲームとは、最低ベット額と最大ベット額が決められているゲームであり、一般的にベット額はビックブラインド(BB)のベット額の倍数である。
例えば、BBのブラインド額が$10の場合には、レイズ額は$10(合計$20)であり、さらにレイズする場合は合計$30($10X2+$10)となる。
各ラウンドでレイズができる回数はポーカールーム毎に定められており、通常は3-4回である。
ポーカールームでライブゲームをするときには、$10-$20 Limit HLDMのように表示されている。この意味は、ベット額がプリフロップ・フロップの段階では$10で、ターン・リバーの段階で$20という意味である。レイズのできる回数は、各ポーカールームによって異なるので、テーブルについたらディーラーに確認しよう。
リミットゲームは、ベット額が定められているので、リミットが低額のテーブルでは、フロップに参加する人数が多くなるのが一般的である。
ノーリミットホールデム
ノーリミットホールデムは、最低のベット額が決められているだけで、最高額は各プレイヤーが持っているチップの額までいくらでもベットできる。従って、BBのベット額が$10でも、自分のチップが$1000あれば$1000までベットできる。ただし、そのゲーム開始までにテーブルにおいてあるチップまでであって、いくらいい手役があるからといって、自分のポケットからキャッシュでチップを買い足すことはできない。自分の持っているチップ全額を賭けることをALL INという。これが「韓国テレビドラマのオールイン」の語源である。
それでは、一度レイズが入った後のリレイズの最低額はいくらになるのであろうか。一般的には、レイズした者がだしたチップ額から、コールに必要な額を差し引いた額の2倍以上である。例えば、BBの額が$10で、レイズの合計チップ額が$50であった場合、$50からコールに必要な$10をさしひいた$40が純粋のレイズ額になる。したがって、リレイズしようとするプレイヤーは、$40X2+$10=$90以上ベットすればリレイズができることになる。尚、自分の持ちチップが$90に満たないときは、オールインが可能である。
ポーカールームでは、$10-$20 NL HOLDMと記載している。この場合、注意しなければならないのは、この表示はSB/BBのベット額を表示しているだけである。従って、ターンの段階でもベット額は、BBのベット額と同じである。
ノーリミットゲームは、レイズされた場合の金額が高くなる場合が多いので、一般的にプリフロップ段階で参加するプレイヤーは少数である。ただし、ベット額に上限がないということは、そのゲームに勝利した場合のリターンが大きいということなので、ストレートやフラッシュのようなハンドが完成すると、相当額のリターンが期待できることになる。従って、BBのベット額が$1-3くらいの小額のテーブルでは、どのようなハンドでもコールしてフロップをみにくるプレイヤーもいるので気をつけなければならない。
ポットリミット
ポットリミットとは、プレイヤーの判断の前にベットされた総額(これをポットという)を上限とするゲームである。プレイヤーがレイズできる上限は、現在あるポットの総額に自分がコールしたときに支払わなければならない金額を足した金額が、ベットできる上限である。
例えば、SB/BBが$5/$10の場合、プリフロップで最初にレイズする金額は、ポットにはすでに$15あり、自分がコールするために$10必要なので、($15+$10)+$10の合計$35までベットできることになる。もちろん、最低レイズ額はBBの2倍の$20からである。
次のプレイヤーがリレイズする場合は、ポットには、SB/BBの$15とレイズしたプレイヤーのベット額$35がある。(プレイヤーがポットレイズした場合) リレイズできる金額は、コールに必要な金額$35を現在あるポット$50に加えた$85までできることになる。従って、ポットリレイズするためには、$35+$85=$120ベットしなければならない。最低レイズ額は、レイズしたプレイヤーの純粋レイズ額である$25の2倍の$50からとなる。(但し、計算が面倒なので単にレイズしたプレイヤーのベット額の二倍である$70以上にしているところもある)
フロップがあいて、最初にベットする場合は、コール(チェック)するのにチップは必要ないので、BBの金額からポットの総額の範囲でベットできることになる。
このように、ポットリミットは一回のベット額の上限が決められているとはいえ、その金額はベットが増えるたびに複利式に増えていくことになる。他方、ノーリミットと異なり、いくら良い手役が来てもレイズ額が限定されるため、一度に獲得できるチップは限界がある。従って、良い手役がある場合には、プリフロップ・フロップ・ターンの各段階で積極的にポットの金額を上げていかなければならないことになる。
ポーカールームでは、$10-$20 PL HLDMと表示されているが、アメリカではこのゲームをライブでおこなっているポーカールームは少ない。ポットリミットはオマハホールデムなどの他のゲームで利用されているようである。
ポットリミットのベット上限額を知るのには、ある程度経験が必要である。そこで下記に練習問題を作成した。次回までに考えておいてほしい。
●練習問題
SB/BBは$5/$10の6人テーブルのポットリミットホールデムである。SBをプレイヤーA,BBをプレイヤーB、以下順にC,D,Eと並びFがボタンである。
BBの左隣のプレイヤーCがコールし、プレイヤーDがフォールド、Eがコールしたところ、FがBBの3倍の$30をレイズした。(ベット額は$40)
SBのAがフォールドしたが、BBのBがポットレイズを宣言した。
Cはフォールドしたが、Eはその時点でのもちチップ全額($60)をオールインした。
Fは再度、ポットレイズを宣言した。Bはコールした。
1)Bのポットレイズした金額は合計でいくらになるか、(テーブルに出したチップ額)
2)Fのポットレイズした金額は合計でいくらになるか。(テーブルにだしたチップ額)
3)フロップが開いた時点でのポットの総額はいくらか。
(4)オールインしたEが勝った場合にいくらのチップ量を獲得できるか。
(メインポット・サイドポットの配当の仕方については、この問題の回答で説明します。)
次回は、ライブゲームとトーナメントについて説明する。
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