ホールデムポーカーの極意書

番外編 13億円の夢破れる-WSOP メインイベント-
リゾポカ掲示板に書いたように、Day1 5ラウンドで敗退してしまいました。残念ですが、やむを得ません。そこで、今回は予定を変更して参戦記にしました。気楽に読んでいただければ幸いです。
ラスベガスに戻ってきて、びっくりしたのはWSOPのメインイベントでどのホテルでも盛り上がっていることです。7月25日についたのですが、多くのホテルの有名レストランでは、メインイベントの参加者のためのパーティーがおこなわれており、一般客の予約が入らないことでした。私にも、4箇所からの招待状がきました。結局、日程の関係で2つしか行けなかったのですが。
また、ホテルのポーカールームのディーリートーナメントの参加者もすごい人数で、前回私が優勝したシーザースパレスの$220トーナメント($120+$100Rebuy)トーナメントの優勝賞金は$17000になっていました。メインイベントの参加者のほとんどは、オンラインポーカーのサテライトを抜けてきているので、メインイベントの参加前の練習としてライブトーナメントに出場したのだと思います。私も、日本人の参加者になるべく多く参加したほうがいいとすすめていました。
私は、メインイベント前に二度参加し、一度は15位入賞(220人参加)で$640いただきました。もう一回は、何もできずにとびました。
入賞したときも含めて、AAは一度もこず、ツキは下降気味かと思いました。
28日に、WSOPの会場のRIOに移動しました。RIOでは、昨年と同様にWSOPの会場のとなりの部屋で、ポーカー関係の見本市が開催されており、オンラインポーカールームやポーカー関連グッズを扱った店でにぎわっていました。ドイル�・ブロンソンやグレッグ・レイマーなどのサイン会もおこなわれていました。昨年、私を飛ばしたグレッグは私のことを覚えていてくれたらしく、またテーブルで会おうといって握手してくれました。
メインイベントの会場に行くと、公式発表で8700人を超えるエントリーがあり、テーブルで飛んだプレイヤーの後にはいるスタンバイのプレイヤーが500人以上いることがわかりました。優勝賞金は1200万ドル(約13億8千万円)、15位でも約1億円になります。
その関係だと思うのですが、1ラウンドのプレー時間が、事前発表されていた100分から120分に延び、ディナーブレイクも90分とるということになりました。また、休憩も1/2づつ交代でとることになりました。応援観戦はディナーブレイクまでは禁止されました。この結果、Day1のプレー終了時間は翌日の午前3時をこえることになりました。(これは昨年も同様だったので気にはなりませんでしたが。但し、昨年は8ラウンドに一部かかりました)
このような変更に基づいて、昨年の経験も加えて自分なりの戦略をたててみました。
● まず、一ラウンドのプレイ時間が延びたので、持ちチップ量が少ないと、アンティーをとられるディナーブレイク以後の戦いが難しくなる。従って、ディナーブレイクまでに15000程度を目標に設定し、持ちチップ量が7000になるまでは、参加する初手のレベルをさげ、ローペアーや89sなどでも参加する。参加した以上プリフロップで4倍までのレイズはついていく。
●次に、ブラインドが少ないラウンドのプレイ時間も延びたので、プロやプロを目指そうという若いプレイヤーが、ルーズにプレイしてくる可能性が高いので、1-3ラウンドまではローストレート・ローフラッシュ・ローセットやツーペアーなどにつかまらないように注意する。つまり、勝っていると思っても、ナッツ以外はリバーではチェック・コールして安全を期すこと。
●序盤では無理してスチールをねらわない。従って、レイトポジションであってもA8oなどでは参加しない。
●最後に、上記を前提として、プリフロップでレイズで入る場合は、ルーズプレイヤーに負担をかけるために、いつもよりワンベット多くして、ブラインドの五倍程度ではいる。
ところが、この作戦が裏目に出てしまいました。
その原因はテーブルの構成が予想と異なり、非常にタイトなテーブルだったのです。若いオンラインプレイヤー(各オンラインポーカーのウェアーを着ている) は3人、シニア世代のベテランプレイヤー(セミプロクラス)が4人もいるテーブルだったのです。その若いプレイヤーもライブトーナメントには慣れていないらしく、ロックのようなプレイヤーでした。極端に言うと、私がルーズアグレシッブルなプレイヤーにみられる状況になってしまったのです。つまり、上記のようなハンドでもスチールはできるのですが、一旦コールされると非常につらい状況に追い込まれ、フラッシュドローやストレートドローでリバーまでついていかされ、結局ひけずにチップを減らしてしまったわけです。2R終了時点で7000まで追い込まれてしまいました。といっても、テーブルチップリーダーも 15000を越えていませんでした。やむを得ず、作戦変更で固くプレイしてダブルアップを狙うことにしました。
3Rにはいり、作戦を変更したかいもあり(ルーズなイメージがあった)、やっときたAKで勝てたので原点近くまで戻ったのですが、その後はブラインドなどで減らされ、結局8000でディナーブレイクを迎えることになりました。
4Rからはアンテイーが発生します。100-200 A25なので、二時間何もしないと5000くらいなくなってしまいます。ここで、転機がきました。JJで4倍レイズではいったところ、それまで固くプレイしていたショートスタック(5000程度)のボタンがコール。フロップがAsJs7xだったのでチェックしたところオールインしてきたのです。ショートスタックなので、あってもAQくらいだろうと思い喜んでコールしたら、相手はKsQsのロイヤルフラッシュドローでした。そして、リバーでTがでて敗退。ただしハートでしたが。チップ量は2500に激減しました。
しかしながら、まだBBの10倍以上はもっています。まだまだ充分戦えるチップ量です。もちろん、寝ていては5周で自然死するので、戦略を一発勝負に変更しました。つまり、ローペアーでもプリフロップでヘッズアップに持ち込み勝負する。AXや二枚のフェイスカードが配られた場合には、ポジションを考えながら積極的にスチールを狙うなどです。
ポーカーの神様は、まだあきらめない私をみすてませんでした。その周のBBで初めてのKKがきて無事ダブルアップし、その後何度かスチールして7000でそのラウンドを終えました。
5Rは、150-300 A25です。だまっているとこのラウンドで7000近くとられ自然死を迎えることになります。従ってつづけてダブルアップを狙っていくしかありません。タイトであまりチップ量に差がなかったテーブルもR4から3人のプレイヤーが20000以上持つという状態になり、ぶつけて勝てればダブルアップが容易に可能な状態になりました。何度かスチールができたり、セミブラフ的な(KTs)オールインリレイズがきまったのですが、ブラインドとアンティーがきつく、 90分を経過したところで4500程度になっていました。
そして、今年のWSOPの終了の瞬間をむかえたのです。
アーリーポジションの金持ち(30000弱)がレイズで1300いれてきました。いままでのプレイをみるとアーリーから参加したときは、コールのほうが手がいいのです。従って、ATやあってもローペアーと考えました。私のハンドはAQoです。残りチップからみても、ここはいくしかないと考え、ギャンブルすることにしました。ALL IN リレイズしたのです。
ところが、私よりもショートスタック(4000位)のボタンがALL IN コールしてきました。まったく予想外のことでした。後ろのプレイヤーは素直にフォールドしてくれるものと思っていました。金持ちは、ちょっと考えてコール。ハンドは予想通りTT、ショートスタックもローペアーを期待したのですが、最悪のAKでした。この段階で、勝率は金持ちが45%程度、AKが33%程度、私が20%程度です。覚悟して立ちあがりました。フロップでレディー(Q)の登場が望みだったのですが、あっさりカウボーイ様(K)がいらっしゃいました。終わりとおもって、扇子やネコなど片付け始めたところ、リバーでレディーがでて金持ちには勝ちました。しかし、残りチップ量は800弱です。
結局、BBでレイズされ、ノールックでコール(575)しました。相手はAK、私はJ9sで何も当たらず終了しました。
テーブルのプレイヤーと握手して離れました。
今回は、ハンドがこなかったこともありますが、序盤の作戦がうまくいかなかったこと、JJのセットをストレートでまくられたことなど流れをつかめなかったことが敗因だとおもいます。ちなみに400ゲーム以上プレイして、KK-1, QQ-2, JJ-3, AK-2しかきませんでした。
しかしながら、手は来なくてもDAY1の通過基準は参加者の3分の1なので、作戦しだいでは充分抜けられたはずです。タイトなテーブルの状況をもっと早く把握して、微妙に作戦を修正すべきであったと思います。その意味で、7000になるまでは、事前にたてた作戦を変えないという硬直した態度が悪かったと反省しています。昨年が、若手プロが打ち合って、その間隙をぬってダブルアップしたというイメージから抜け出せなかったのかもしれません。
今回は残念な結果になりましたが、私は日本人のプレイヤーでもWSOPで充分戦えるとおもっています。読者の皆様もリゾポカなどのライブトーナメントで経験をつんで、来年のWSOPを目指しましょう。私も、可能な限り国内のライブトーナメントに参加したいと思います。
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