ホールデムポーカーの極意書

第十二之巻 私のポーカー戦略-初手の選択(5)
「状況」判断基準の続きである。
状況を判断する基準の第5は、対戦プレイヤーの心理状態である。
ライブテーブルでポーカーをプレイする場合に、対戦相手の仕草や目の位置などを観察して、そのクセを見破れば有利に働く。その防止策としてポーカーフェイスでプレイしろとか、目の動きを見られないためにサングラスをかけろとかいわれる。
まさに、そのとおりであるが、短期間同じテーブルでプレイするトーナメントの間で他のプレイヤーのクセを発見するのは難しい。たしかに、どんな人間にもクセはあると思う。日本がほこる盗塁王福本氏は投手の投球動作のクセをみつけて盗塁のタイミングを計っていたとのことである。しかしながら、これは毎年何度も対戦するから有効なのであって、旅行者である日本人がトーナメントに参加する場合にはほとんど意味をなさないと思う。
それよりも、ある程度客観的に対戦プレイヤーの心理状態をはかることは可能である。
なぜなら、トーナメントに参加する目的はすべてのプレイヤーが同じであり、スタートチップも同じ(バンクロールの差はキャッシュゲームほどないという意味)なので、ある程度のスキルをもったプレイヤーにおいてそれほど差がないからである。
従って、あるプレイヤーのチップ量を持ち、そのポジションならなにをしたいかを、相手の立場で考えてみればよいのである。自分だったらこうするだろうということを常に考えてプレイすればよいのである。
だれでも、入賞したいし、チップを増やしたい。また、どうしてもスチールしたいときもある。あるいは、ここで無理するよりは、スチールされてもじっくりよいハンドが来るのを待ちたいときもある。自分がしたいことは、他人もしたいのである。
もちろん、極端にバンクロールが大きく、トーナメントに勝つという名誉だけがほしいプレイヤーもいるし、初級者でトーナメントのイロハもわからないプレイヤーもいる。
また、他人をはめたり、ブラフを成功させたりするのが大好きなプレイヤーもいる。しかしながら、ある程度の参加料を支払ってトーナメントに参加する大多数のプレイヤーは、ほとんど同じことを考えている。従って、自分がされたらいやだと思うプレイをすればよいのである。
もちろん、個々のプレイヤーのプレイスタイルは観察しておくほうがよい。そして、相手の立場だったらあなたがプレイするだろう方法を、その相手のプレイヤーのスタイルで若干修正すればよいのである。
では、どのように相手のプレイを観察するか具体的に考えてみよう。
私は、下記の基準で判断している。
●そのプレイヤーがBBのとき、どのようにプレイするか。
他のプレイヤーのレイズにどの程度コールするか。
●AA・KKなどのモンスターハンドがはいったときに、レイズするのか。それともスロープレイするのか
●同スーツや数字が並んでいるときに、どの程度のカードランクでコールするか。
●AXやKXのハンドで、どの程度参加するか。(特に、A8,KTなどの中途半端なハンドでどのようなプレイをするか)
●平均的なレイズ額はどの程度か。BBの何倍か。平均的なレイズ額より高いベットをしてきたときはどのようなハンドを持っていたか。また、どのようなポジションでそのプレイをしているか
●自分がレイズした後に、リレイズされた場合、フォールドすることがあるか。
なぜこのような基準で判断しているかについては、各自考えてほしい。
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