ホールデムポーカーの極意書

ポーカーを楽しもう

第十四之巻 私のポーカー戦略 - ベッティング(2)

 前回は、ベット・レイズには意味があり、相手のベット・レイズでその意思を汲み取って自分のアクションを決めることが必要であると述べた。
 繰り返すが、ポーカーの目的は、一回のゲームに勝つことではない。ゲームに勝つことによって持ちチップ量を増やすことである。そして、トーナメントで入賞し、入賞後は着実に順位をあげることである。
 今回は、私自身がどのようにペッティングしているかについて述べよう。

レイズが基本

 私の基本的な考えは、レイズできないようなハンドでは参加しないということである。
 私のプレイスタイルはタイト・アグレッシブを基本するので、参加回数を減らしコストを少なくして、参加したときの勝率と獲得できるチップ量をあげることが必要だからである。
 従って、コールする場合は、何らかの特別な意思がある。
 では、どのようなときにコールするのか。

モンスターハンド

 AA・KKのモンスターハンドが来ることはほとんどない。従って、このようなハンドが来た場合に、ブラインドスチールだけではもったいない。そこで、プリフロップの段階でコールし、他のプレイヤーのレイズを待って、ポットの金額をあげようとする場合である。
 但し、アーリーポジションでスロープレイすると、後ろポジションのプレイヤーにずるずるとコールされる可能性が高く、フロップでストレートやフラッシュドローになったり、ツーペアーを引かれたりして事故が起きる可能性が高くなる。従って、スロープレイをするのは、レイトポジションでそのゲームの最大参加人数が4人以内になることがあきらかな場合か、テーブルチップリーダーなど持ちチップに余裕がある場合、またはショートスタックでアベレージチップ量に復帰するには、少々の危険はやむを得ないとしてポットを膨らませることが最優先の場合である。また、自分より前のポジションのプレイヤーがBBの3-4倍程度のレイズをした場合なども、リレイズをせずにコールして、フロップが開いた後のリレイズをねらうためにコールする場合もある。これは、ポジションの優位を生かしたプレイともいえる。

●フラッシュドロー
 フラッシュドローとは、プリフロップで配られたカードが2枚とも同じスーツの場合である。私の場合、フラッシュドローハンドでは、原則的にゲームに参加しない。AXsかKXs程度が参加できる条件である。フラッシュが完成する確率は低いので、押さえとしてAかKならば、そのペアーだけで勝てることも考えているからである。しかしながら、AXsやKXsの場合でも、最初に考えるのはレイズである。コールするのは、前のポジションの複数のプレイヤーがコールで入ってきている場合(この場合、フラッシュが完成すると獲得可能なチップが多い)や、自分の持ちチップ量に余裕があってコール分のチップを捨ててもよい場合である。
 これにたいし、私はストレートドロー系でゲームに参加することはほとんどない。

トーナメントの状況よるベット額の調整

 私の基本的なベット額は、BBの4倍くらいであるが、トーナメントの状況によって変えている。

●トーナメントの内容による変更
 トーナメントによっては、WSOPメインイベントのようにスタートチップ量が多く、ブラインドも少ないトーナメントがある。このようなトーナメントでは、序盤では通常のベット・レイズ額では他のプレイヤーにプレッシャーを与えることはできない。従って、ポットを取りに行くようなハンドでは、BBの10 倍程度が最低ベット・レイズ額になる。他方、日本で開催されているトーナメントのようにスタートチップ量が少なく、1ラウンドの時間も短い場合では、BB の3倍でもコールするのにプレッシャーを感じる場合がある。その場合は、3倍程度でも充分である。

●トーナメントの状況による変更
 トーナメントを勝ち抜くためには、その時点での自分の順位を把握し、入賞するにはどの程度必要かを考えてプレイしなければならない。従って、状況によってはオーバーベットであってもオールインすべき場合もある。BBの10倍程度しかない場合は、いつもオールインすべきかどうかを考えておく必要がある。
 他方、アベレージチップの2倍以上持ってそのテーブルのチップリーダーの場合には、相手の恐怖心をあおる意味で、BBの5-7倍程度のベット額を基本にする場合もある。特にトーナメントの後半で入賞直前のときには効果的である。逆に全てコールではいる場合もある。チップリーダーにコールされるのは、相手方にはいつもトーナメントの終了という危険がついてまわるため、アクションが制限される。それを利用して心理的なプレッシャーを与えるためである。

●ブラインドスチール目的のレイズ
 ブラインドスチールはできる限りおこなわねばならない。なぜなら、ブラインドスチールが成功すると、次の一周は実質的にコストがからずにハンドがみれることになり、ゲームに参加しポットを獲得できるハンドがくる可能性が高くなるからである。従って、ブラインドスチールを狙う場合には、SB・BBがコールしにくいベットをする必要がある。最低、ポットベットが必要である。


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