リゾカジ カジノレポート
帝王VS皇帝(1991:マニラ)⑤【バカラ編】
アジア 2022/
10/
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マカオの帝王
■ パビリオン・ホテル カジノフロア
『さてと、BJオンリーの石田先輩は、今日は終日親睦ゴルフコンペ&食事会だ。思う存分勝負が出来る! となると、得物はやっぱりバカラだな……、但し、生き残りの手持ち(6万ペソ)じゃ、大バカラ卓に座るのは厳しい、せめて10万ペソは無いと……。手持ちの日本円を崩せば、MAX40万ペソまでOKだが、両替レートや、ペソから円/$への交換の制限、等を考えると、余り余分な両替はしたくない……、取り敢えず、手持ちの6万ペソで一勝負し、それが10万になれば、それを元手に大バカラ卓へ、それが溶ければ、日本円を10万ペソ分両替する、よし、これで方針は決定! 最初はMAX:5000ペソとしょぼいが、ミニバカラ卓で肩慣らしとするか……』
フロアを彷徨い歩く。
罫線はどうでも良かったが、ディーラーは重要だ。
誠実そうな若者が好ましい……、と場内を散策すると、真面目そうなメガネを掛けた、20代の男性ディーラーが目に入った。
席はどこでも同じなのだが、BJの習性で左端に座る。
5千ペソをバンカーにベットする。
初手、ハウス・ディーラーに2枚共オープンを促す。
ディーラーは絵札と3。
こちらは絵札と3ピン!(全然違う♡)
ゆっくり絞ると付き付きのナチュラル8!
4,750ペソを受け取る。
飲み込みの早い若者ディーラーは、ホンの数ゲームで;
① この日本人は常にバンカーにMAXの5千ペソをベットすること。
② タイ(及びプレイヤー)には、一切張らないこと。
③ ハウス・プレイヤーは常に2枚共、即オープンすること。
という、当方の流儀を飲み込み、サクサクとカードを配ってくれた。
いつもなら、オールバンカーとはいえ、タマの上げ下げも考えないといけないのだが、ここではそれすら無く、ただ只管、5千ペソをバンカーに賭け続けた。
バンカー・・・29勝
プレイヤー・・20勝
で浮きが37,750ペソの時点でカットカードが出た。
『これに勝てば、予定達成! 負けてシャッフルとなるのは避けたい!』
若者がオープンしたのは絵札+6=6点。
それに対し、こちらは4ピン+3ピン!
『6+9の5点なら厳しい3枚目勝負、6+10又は7+9の6点なら引き分け、7+10又は8+9の7点、若しくは8+10の8点なら即勝利! 現時点での勝率は約88%!』
しかし、そうは甘くは無く、6+9=5点で厳しい3枚目勝負となる。
1,2,3を祈るが、残念ながら足がある。(枠よりはマシだが……)
ゆっくり絞ると、真ん中には何も見えなかった!
唯一の勝ちカードである “4” を引き抜く!(ミニバカラなのに、肩を酷使しすぎ……)
メガネのディーラーにチップとして2,000ペソを進呈し、プレイの終了を告げる。
10万+500ペソを一旦ダンヒルのポーチに仕舞い、大バカラのエリアへ移動する。
すると、一角だけ歓声が飛び交い、賑わっている卓が目に入った。
どうやら、プレイヤーが連勝モード中のようである。
その中心で絞っているのは、中国系と思しき中年の男性、そしてその左右には取り巻き(子分)を従えている……。
プレイヤーの勝利(どうやら6連勝の模様)で、当然の如く、中央の男性(頭目)が10万ペソ、取り巻きがそれぞれ2万ペソ、ローカルの面々が5千~2万ペソを皆さんプレイヤーにベットする。
『どこかで見た景色だな……、中央の頭目らしきオッサンには見覚えがある……、そうだ! 3月にマカオで絞りあった、“黒い三連星” じゃないか? よりによって、こんなマニラくんだりまで来て顔を合わすとは……、おや? 連勝で満足したのか、前の席が一つ空いた。これは一勝負しろ! との神のお告げだな……』
徐に座り、卓上に生白い1万ペソのチップを10枚取り出し、少し考えた末、3万ペソをバンカーにベットする。
(注)6ペソ≒1HK$≒¥15
『3万! というと多そうだが、初手5千HK$は普通だ。反目を張るにしても最低ラインがある……、なぁに、面なんていつかは切れるもの、しかもハウスも負けっぱなしじゃ困るだろう……、もし、何らかの “仕事” が入るとしたら、ここだ!』
突然現れ、反目のバンカーに張る日本人に卓上がざわつく。
「XXX!(おや? お前はいつもマカオで見かける “日本人野郎” じゃないか?) XXX!(今日はどういう風の吹き回しでこのマニラにいるのだ?)」
と “黒い三連星” の頭目が話しかけた(ような気がした)
黙って小さく頷く。
浅黒いフィリピン人のディーラーが、「Never forget tie !」と連呼する。
それを耳にしたローカル数名が、少額をタイにベットする。
(注)ディーラーがタイへのベットを促すのには、二つの意味が有ります。
一つは、ハウス側の控除率が大きいので、ハウスに取って有利であること。
もう一つは、本線でバンカーやプレイヤーが勝った場合は、余程のビッグベットや連勝した場合を除けば、チップを要求しにくいのに対し、タイが的中した場合は、そこから自分達へのチップを要求し易いことが挙げられます。
『何が、「ネバー・フォーゲット・タイ」だ! さっさとカードを配れ!』
と思いながら、じっと待つ。
対面の頭目は、マカオと同様に2枚のカードを散々こねくり回した挙句、4+2=6点を羅紗の上に晒す。
『もったい付けた割に6点か……、さてと、ハウスよ、しっかり “仕事” してくれたかな?』
1枚目は絵札、2枚目は足有り。
横向けると、2枚目は4ピン(9か10)であった。
『良し良し、これは勝ったも同然……』
本来なら、じっくり絞るところであったが、反目を張っている場合は “時短モード” をモットーとしているので、いつもの倍速で絞り上げる。
どうやらマニラでも、ディーラーはここ一番ではしっかり “仕事” が出来るようであった。
美しいナチュラル9で、大バカラ、先ず一勝目!
プレイヤーサイドの20数万ペソが没収される。
口切りバンカーで、5万ペソをベットする。
それを見た頭目は、プレイヤーに同額の5万ペソを、取り巻きはそれぞれ1万ペソをプレイヤーにベットする。その他のローカルは張りを落としてのプレイヤー、若しくはルックの様子。
カードが配られる。
またまた頭目は、カードを捏ね繰り回した挙句、今度はA+6=7点をオープンする。
『少しはアップしたようだが、所詮、その程度か……』
目の前に配られた2枚のカードを高速で確認する。
1枚目はA、2枚目は足有り。
『両ピン(4か5)だけは嫌だな……、3ピン(6,7,8)なら最高!』
と思いながらカードを横にすると、願い通りの3ピン!
負けなしの状態で気軽に絞ると、一つで良いのに二つ共付いて、A+8=9とまたもや、ナチュラル9で勝利!
次も口切りバンカーで、7万ペソをベットする。
勝ち分を削られ、お怒りモードに突入した対面の頭目が、同じく7万ペソをプレイヤーに、取り巻きもそれぞれ、15,000ペソをプレイヤーにベットする。
今度は、かなりの時間をかけ、2枚のカードをグチャグチャになるまで絞り上げた挙句、溜息を付きながら6+2=8点をオープンする頭目。
歓声が沸くプレイヤー陣営。
『これは待たせちゃ悪いな、さっさと捲るか?』
2枚同時に斜めに絞り上げる。
一つがガッタウ(2か3)
もう一つは3ピン(6,7,8)と絵に成る展開。
先ず、3ピンの上が付き、7か8であることが決定。(6なら良かったのに……)
次に、ガッタウが2であることを確認し、望みを繋ぐ。
プレイヤー陣営がざわつく。
一気に絞り上げると、2+7=9と、三連続ナチュラル9で勝利!
項垂れる頭目……、
3連勝で、ここまで142,500ペソの勝利!
取り敢えず、今宵の目標とした、手持ち30万ペソまで、あと一歩となる。
しかし、ここで問題発生。
『うーん……、バンカーに6万ペソをベットし、4連勝で目標達成! と考えていたが、ナチュラル8で負けたのが余程ショックだったのか、“黒い三連星” の野郎、次は “見” のご様子だ。他力本願のローカルどもは、次もバンカーで “ビシッと” 絞って自分達も勝たせてくれと、騒いでいる様子……、期待に応えたいのは山々だが、こんな時のバンカーはあっさり転ばされるんだよなぁ……、それはそうと昼間、柄にもなく動物園だの、ショッピング・モールだのをマリアちゃんのお供で歩き回ったせいで、何だか疲れてしまった……、エーイ、ここは一つ、張りを落として様子見だ!』
中途半端に4万ペソをバンカーにベットする。
カードが配られる。
ハウス・プレイヤーにオープンを促す。
絵札+5=5点。
それに対し、こちらは2枚とも3ピンと絵にならないので、サクッと捲ると8+6=4点だった。(嫌な感じ……)
嫌な感じはすぐに現実化する。
ハウス・ディーラーがピクチャーの逆条件であっさり負け。
これを見て、対面で“見”を決め込んでいた “黒い三連星” が息を吹き返した。
頭目が、プレイヤーに10万ペソ、左右の取り巻きが同じくプレイヤーに2万ペソずつ、ローカル達も再びプレイヤーに思い思いに5千から2万ペソをベットする。
『良し良し、こうでなくっちゃな……、現在の手持ちは20万3千ペソ、ここで勝ち分の全額、10万3千ペソをバンカーにベットし、これに勝てば目標達成だ!』
今日一の10万3千ペソをバンカーにベットする。
ディーラーが、「ノーモアベット」を告げる。
するとその時、背後から日本語が聞こえてきた。
「あぁ、BJコーナーじゃなく、やっぱりココ(大バカラ区画)にいましたか……、昼間のゴルフコンペは、コッチが勝ちましたが、プレゼンで負け、カラオケで負け、このままアナタとカジノで決着を付けないままじゃ、この先 “マニラの皇帝” だなどと、恥ずかしくて名乗れません! しかし、それにしても……、バカラで卓上のほぼ全員がプレイヤーに張っている中で、只一人バンカーに一手で10万超ですか……」
「状況を理解してくれたようで重畳だ。ところで、今ちょっと忙しいので、後にしてくれないかな?」と告げ、目の前のカードに集中する。
頭目が散々こねくり回した挙げ句、溜息と共に羅紗の上に晒したのは、7+3=0点だった。
一先ず安心し、絞りに取りかかるが、2枚とも絵札で絵にならず、こちらもバカラ(0点)をオープンし、3枚勝負となる。
頭目の取り巻きが、「3ピン(6,7,8)!」と叫ぶ!
しかし、絞り始めてすぐに頭目が、仏頂面で♠Aをディーラーに向け、放り投げる。
ただ、バカラ(0点)からは、この1点が思いのほか “重い”。
『たかが1点、されど1点、だな……、ここはマカオじゃなくマニラだから、神様はやっぱり “イエス様”か……、絵札3枚の30トン! だけは勘弁して欲しいものだ!』
日頃の行いが良いせいか、願いは聞き届けられ、3枚目は絵札では無かった。
こちらがカードを横にするのを目にした、対面の“黒い三連星”から、「4ピン(4サイド)、サプチャイ(10)!」の罵声が飛んでくる!
ローカル達からも、「TEN! TEN!」の叫びが飛んでくる!
その圧力の賜か、目の前に♠が4つ見える。
『確かこの♠は、身分で言えば王侯/貴族、季節で言えば冬を意味するのだったな……、そしてもう一つ、この♠は“死”の象徴でもある……。おっと、縁起でも無い! この場では、3枚目に♠Aを引いた対面のオッサンこそが、その“死”に相応しい! “マカオの帝王”が、“マニラの皇帝”が見ている目の前で、たかが1点相手に負ける訳にはいかない!』
ギャラリーの期待に一応は答えてやる為、指を4本立て “フィンガー・メッセージ”を送る。
それを見て意気が上がるプレイヤー陣営!
真後ろで勝負の行方をじっと見守る “マニラの皇帝”。
カードの中央に、黒い何かが見えた。
『やはり、♠Aの方が、“死の象徴”としては強力だったようだな……』
4ピンは“9”だった。
項垂れる、“黒い三連星”。
20万+850ペソの配当を受け取る。
その中から端数の850ペソをディーラーに渡す。
昼間、マリアちゃんと柄にも無く、動物園やショッピング・モールを歩き回ったツケか、全身に疲れ(+緊張状態からの解放による、ナルコレプシーが原因の猛烈な眠気)が一気に襲ってきた。
『もう限界だ! 本日のカジノはこれにて終了! 手付かずの100万円+この30万ペソをフロントのセキュリティに一旦預け、喉の渇きを潤す為、サンミゲルを2~3本一気飲みし、そのまま朝までベッドで寝る!』
そう決心し、全ての高額チップをダンヒルのポーチに仕舞いはじめると、対面の “黒い三連星” の頭目から、広東語の罵声が飛んできた。
「XXX!(こらぁ、この日本人野郎!) XXX(勝ち逃げは許さへんでぇ!) XXX(マカオで負け、マニラで負け、じゃ、この俺様の面子丸潰れじゃ!) XXX(今日は土曜日、このまま朝までバカラで勝負しようやないか!)」
それを聞き流しながら、店仕舞いの作業をしていると、今度は後ろの “マニラの皇帝” が話しかけてきた。
「僕には、アナタのようにバカラとBJの “二刀流” は真似出来ません。けど、僕にもプライドが有ります! 僕と同じ卓で、BJの勝負をして下さい!」
『まったくもう、どいつもこいつもウルせえ奴らだ……』
そう思っていると、石田先輩登場。
「あぁ、こんなところにいた。昼間のゴルフは “バンカー” に捕まり散々でした。そこで今から気分転換に少しばかしブラックジャックをプレイしたいのだけれど、付き合ってくれませんか?」
『頼むから、ほっといてくれ!』
“マカオの帝王” はカジノの真ん中で(心の中で)叫んだ!
⑥へ続く。
https://www.resocasi.com/res/report/detail?id=2080
2022/10/17(Mon) 12:00
くるくる
マカオの帝王さん、
こんにちは!
ははははは! 面白いですねー!
⑥を楽しみにしています!(^O^)/
2022/10/17(Mon) 14:37
マリタイム
こんにちは。
「もし、何らかの “仕事” が入るとしたら、ここだ!」 → ここ大事ですね。
ちなみにドル円は現時点では、当局の市場介入期待の売り方が踏みあげられて高値更新するという皮肉な結果になっています・・・。
賭場から引き揚げたいのに、させてくれない。寅さんなら「そこが渡世人のツライ所よ」と言う場面ですね。
2022/10/17(Mon) 20:19
マカオの帝王
くるくるさん、こんばんは!
この週末は、クルマで徳島県鳴門市に新しく出来た、今人気の道の駅、“くるくる鳴門” に行ってきました。ここでしか売っていない、超細切りの芋けんぴや、新鮮な海鮮料理を楽しみました。
くるくる、“くるくる鳴門” にくる! 言葉遊びとしても、良い感じです!
⑥はこの週末にアップする予定です。
2022/10/17(Mon) 20:27
マカオの帝王
マリタイムさん、こんばんは!
当方は、ハウスの “仕事” の疑惑を、今でも消せません。オンライン・ポーカーなどでも、ビッグポッドで、これは96%勝った! と思った瞬間、リバーで薄い2アウツを引かれ、捲られたりすることが連続で起きると、何だかモヤモヤが溜まります。それだけに、納得のいく勝利をゲットした時位は、自由にさせて欲しいものだ、と思う次第です。
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このReportへのコメント(全 4件)