リゾカジ カジノレポート
帝王の帰還(その⑤)【GWグランドリスボアパレス公式オフ会】
マカオ 2024/
07/
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マカオの帝王
帝王の帰還(その⑤)
■ 2024年4月30日(火)
さて、グランドリスボアパレスでの宿泊も、今日で終了だ。
クルクルさんがネットで予約した、元祖リスボア・ホテルへ移動する前に、前日のポーカーで獲得したお食事券(300パタカ)を有効に活用すべく、一緒にカジノの脇にある日本食レストランでブランチである。
その名も “くるくる”!
※ リゾカジの公式オフ会でも、この名前については話題に上り、まことしやかに「この和風居酒屋の影のオーナーは“クルクル”さんだ!」という説が流れていましたが、本人に確認したところ、「偶然の一致で、そんなことは有りません」とのことでした……
二人とも、ざる蕎麦とビールを頼み、丁度300パタカで会計終了(味は普通)
食事後、シャトルバスで、元祖リスボア・ホテルに移動し、チェックイン。
『やっぱり、落ち着くなぁ……』
さて、身軽になったところで、平場のバカラ卓を回る。
まだ時間が早いので、それ程混雑はしていなかったが、2階の中央部(ややレートが高い)ではなく、周辺部(ややレートが低い)で、旅行者と思しき若い日本人男性二人組が、とあるバカラ卓の後で見学しているのに出くわす。
「これが、バカラか? 何かワーワー言ってるけど、全然分かんないや……」
日本語が耳に入ったので、つい口が出る。
「あぁ、日本の方ですか? これはバカラと言って、先攻のプレイヤーと、後攻のバンカーにそれぞれ分かれて、
配られた2~3枚のカードの合計の数字の一の位が、9に近い方が勝ちになるというシンプルなゲームです。そこにある電光掲示板に、この卓でのこれまでの結果が、青丸と赤丸で出ています。大体が半々なのですが、手数料(5%)を取られるけど、後攻のバンカーが少しだけ有利になるよう、ルールが決まっています」と解説する。
「成るほど……、それで最低のベット額は幾ら何でしょう?」
「あぁ、この卓は300香港ドルからですね、まだ安い方です。中央部の区画では、最低ベット額は500~千香港ドルですからね」と告げると、「それはちょっと手が出ないなぁ……」と落胆の声が聞こえる。
「まぁ、百聞は一見に如かず、と言いますから、今から私が少し座ってプレイするので、後ろで見ていて下さい」と二人組に告げ、財布から千ドル札(20枚)をディーラーに向かい、放り投げる。
突然現れた日本人に騒めくテーブル、
ディーラーが一枚ずつ紙幣鑑別機でチェックする。
1万ドルの大判チップ2枚を渡され、その内の1枚を青紫色の千ドルチップ10枚に交換して貰う。
プレイが中断されたことによる、卓の先客(全員中国人)達からの、反発の視線を浴びながら、慣れ親しんだ心地よい軽いアウェー感に全身を包まれる。
『そうそう、これがマカオのバカラだ! どの卓でいつ始めても、いつ辞めてもOK、ローリングなど関係ない! 全勝負、自分がバンカーに張り、そして絞る。プレイヤーで絞るのは、ハウスではなく、自分自身の大事なお金を賭けた、市井の中国人。その際のベット金額は当方と同レベルが望ましい。個々のゲームに勝てば大喜び、負ければ悔しそうな顔で嘆き悲しむ……、その方が、ブスっとした顔のディーラーに、虎の子のチップを淡々と回収されるよりずっと良い……、何だか随分回り道したが、やっと自分が “本来居るべき場所”に辿り着いた気分だ。欲を言えば、後ろの若い日本人観光客の応援団が、男性では無く、女性だったらもっと良かったのだが、まぁ、それは良しとしよう』
後ろに立つ、日本人観光客の男性から「えぇ! 今のはお幾らですか!」と尋ねられる。
「うーん、2万香港ドルだから、約40万円位かなぁ……、大体、平均2千ドル位ベットするので、10連敗したら終了だけど、まぁ、そんなことは滅多に無い(有ったら困る)ので、プレイしながら判断する訳です」
と返事しながら、いつものようにバンカーに2千ドルをベットする。
「今、幾ら賭けたのですか?」
「2千ドルだから、日本円だと4万円だよ」と答えると、
「うーん、それは僕たちの今回のマカオ遠征の軍資金とほぼ同じです……、それの一発勝負は出来ないなぁ……」
300ドルからベット出来ることを伝えるが、最初は見ている、とのこと。
この卓は、平日のリスボア・ホテルの平場、それもレートの安い周辺部なので、皆さんの平均ベット額は500~千ドルであった為、2千ドルはバンカー側で絞り役になるには十分な金額だった。
プレイヤー側の絞り役は、千ドル張った中年のオッサン(最も、当方よりは二回りは若そうであるが……)
少し絞り始めるも、すぐに投げ出す。
共に絵札でゼロ点。
こちらは絵札と3ピン!
取り出した爪楊枝を咥えながら、斜めにゆっくりと絞り始める。
先ず一つ、そして二つ目が付き、ナチュラル8で勝利確定!
配当の1,900ドルが渡される。
「今のはどうなったのですか?」
「あぁ、最初の2枚の合計が8点だったので、後攻のバンカーの勝ちです。ルールにより、5%のコミッションを差し引いた、1,900ドルが勝ち分ですね」と答える。
その後も、プレイヤーの最初の2枚は全て4点以下で、バンカーのそれは全て6点以上(6半では無いので、6でも“無問題”)という、危なげない展開で、バンカーが5連勝する。
「これで、幾ら勝っているのですか?」
「えっと、約20万弱かな……」と答える。
驚いた表情を浮かべる若者二人組。
途中までプレイヤーに張っていた先客達も、突然現れた“謎の日本人”に乗っかりだした。
ハウス・プレイヤーの相手をさせられるのは嫌だったが、プレイヤーサイドでは、死んだ魚の目をした中年のオッサンが唯一人、毎回千ドルずつを意地になり張り続ける。
『ここまでは上々……、ただ、バンカーに乗っかりたい先客の皆さんの中には、2千ドル超張りたい人もいるみたいだが、絞り手の当方が2千ドルなので、わざわざ崩して1,500~1,900ドルを張っている人も出てきたようだ……、これは失礼しました、だな。良し、ここからは少しばかりギアを上げるとしよう……」
「さぁ、少しギアを上げますよ!」と宣言し、3,000ドルをバンカーにベットする。
これを見て、途中から乗っかりだした先客達も、2,000~2,500ドルを、同じくバンカーにベットする。
プレイヤーは、直近では最高の6点。
それに対し此方は、両ピン(4、か5)とガッタウ(2,か3)と最高の組み合わせである。
『これは、プレイヤーの6点の相手だと、絵札+3ピンでも負けなし! だが勝利の確率は67%なのに対し、この組み合わせの場合、負けなしは同じだが、勝利の確率は75%! これは勝ったも同然だな……』
時短の為、2枚同時に絞り始める。
どちらか一つで良かったのだが、アッサリと二つとも付き、ギアアップ初戦もナチュラル8で勝利!
プレイヤーに張り続ける、死んだ魚の目をした中年のオッサンを除く、一同大喜び!
次も同じくプレイヤーは唯一人、死んだ魚の目をしたオッサンが千ドルをベット、バンカーは当方が3,000ドル、他の先客達が1,000~2,500ドルをベットする。
カードが配られる。
意地になり、プレイヤーで絞り続けるオッサンの目に、少しだけ光が差し込む。
オッサンが絵札+8=8点を卓上に晒す。
落胆するバンカー側一同。
けど、不思議と平静だった。
1枚目はガッタウ(2か3)2枚目は3ピン(6,7,8のどれか)だった。
『悪くない組み合わせだ。2-6;△、2-7;〇、2-8;×、3-6;〇、3-7;×、3-8;×、現時点での勝率40%!ナチュラル8を相手にするには、材料としては十分!』
バンカーに乗っかる中国人達に対し、「ガッタウ、サンピン」とのメッセージを送る。
「今、何とおっしゃったのですか?」
「あぁ、広東語で、うーん、『まだ望みは有る!』といった感じかな?」と答える。
3ピンは熱い♦だった。
1枚目のガッタウは3。
『くっ! 2の方が良かったが、これで引き分けの可能性が消滅し、勝率は40%→33%に下がったけど、まだ望みは有る!』
新しい爪楊枝を取り出し、咥える。
老眼の為、少し焦点がぼやけるが、ブルーベリーとルテインのお陰で、この歳でも何とか老眼鏡無しの裸眼で過ごせていることに感謝しつつ、中央の列から、邪魔な2点が消えるよう祈りを込める。
一つ抜ける。
『確かこんな時に使う広東語が有ったな……』
「チョイ、チョイ、チョイヤー!」
二つ目も抜けた!
パーシューガウ(8対9)でバンカーの勝利!
この7連勝で15,200ドルの勝利となり、宴は最高潮となる!
但しここで、“鉄板のバンカーモード”と見た、VIPバカラ流れと思しき中国人の“老板(社長さん)”登場。
空いている席に徐に座り、いきなりバンカーに2万ドルをベットする。
卓上の中国人女性が、「今のところ、隣の日本人が絞って調子が良いので、このまま絞らせては?」と“老板”に話しかけるが、首を振りそのままチップを動かそうとしない“老板”。
8点でも負けたことで、遂に心が折れたのか、死んだ魚の目をしたオッサンは席を立ち消えた。
『自分がバンカーで絞れない、ハウスがプレイヤー、そろそろ“面”も切れどきだ……』
撤収の下準備として、勝ち分を1万ドル1枚、5千ドル1枚と両替して貰い、端数の200$をプレイヤーのペアにベットする。
それを見た先客達も、張りを落とし、様子見モードとなる。
ハウス・プレイヤーは7点。
それに対し、“老板”は少し絞ったところで、溜息をつきながらカードをオープンする。
ポーカーなら最強の“Rockets(AA)”で有った。
『しまった! どうせ端数をペアに張るのなら、バンカーにすれば良かった……、けど、どうせこれで“宴”は終了だ……』
当方が席を立つと、それが“宴の終了”の合図となり、皆一斉に席を立つ!
後ろの日本人観光客二人組に向かい『一旦はこれで終了です。後攻のバンカーの7連勝で、今の勝ちは日本円で約30万円、僕は今からシャトルバスで新しく出来た、グランドリスボアパレスという、コタイに有るホテルで、少しポーカーをするつもりですが、どうします?』と告げるが、「いやー、解説付きで、生のバカラが見られて、凄かったです! これで少しだけバカラのことが分かった様な気がします。僕たちはもう少し、このリスボア・ホテルの中を回ってみます」とのこと。
別れを告げ、シャトルバスに乗り来み、グランドリスボアパレスのポーカールームに向かう。
明日から中国本土のGWが控えている為か、ポーカールームはウェイティング状態であった。
取り敢えず、エントリーし、無料の甘ったるいアイスコーヒーを飲みながら待つが、一向に進まない。
バカラでもポーカーでも同じだが、カジノにおける当方の認識は以下の通りである。
① 納得の行く勝負をして勝つ。
② 納得の行く勝負をして負ける。
③ 軍資金も時間も有るのに、勝負が出来ない。
① が最も良い状態なのは当たり前だが、手持ちのお金が減らない③よりも、②の方が好ましく思うところが、ギャンブラーの性(さが)で有った。
『これじゃ埒が明かない……、どのみち、ホテルはリスボアだ。シャトルバスの有る内に、古き良きリスボアに戻るとしよう……』
スタッフにウェイティングのキャンセルを告げ、グランドリスボアパレスを後にし、リスボア・ホテルに戻る。(これが所謂一つの、帝王の帰還)
平場のバカラで、一進一退の叩きあいを紙一重で制し、5千ドル勝ちを上乗せする。
これで今回のマカオ遠征における、バカラ部門の収支がトントンとなる。
小腹がすいたので、席を立ち、雨の中、ホテルのすぐ外側に有る、24時間営業のローカル中華の店で、炒飯と青菜、それと青島ビールの大瓶を頼む。
店の中では、ブランド品に身を包んだ小金持ち風の中年男性3人組と、夜総会らしい、ミニスカートの女性3人組との “アフター?”が、絶賛展開中であった。
『所変われど、皆さんすることは同じか……、それにしても、納得の行く勝負をして勝った後の、冷えた青島ビールは旨い! これで収支もプラスに転じた。それと、久しぶりに歩き回ってバカラをして、少々疲れた……、“飲酒ギャンブル事故のもと” だ。今宵はここまでとしよう……』
驟雨の中、小走りで道路を渡り、クルクルさんの待つリスボア・ホテルに戻り、そのまま眠りにつく。
(その⑥)へ続く
https://www.resocasi.com/res/report/detail?id=2248
2024/07/09(Tue) 14:17
マリタイム
マカオの帝王さん、こんにちは。
2万ドルをベットの老板、カジノあるあるですね。
自分が損するのはいいけど、他の人の勝ちを止めるなよって。♠
24時間営業のローカル中華の店は「永勝美食」ですよね。
ホリデーインエクスプレスマカオシティーセンター建設でも取壊されず残っていて嬉しいです。♣
昔は財神酒店の夜総会が澳門№1という話でしたが、その頃に同店に行かなかったことが心残りです。❤
あと、くるくるさんは片仮名じゃなくて平仮名だと思います。♦
2024/07/10(Wed) 17:11
マカオの帝王
マリタイムさん、こんにちは!
♠この種の人々の、いわゆる “飛び込み自殺” は誰も止められません。
唯一出来ることは、その巻き添えを食わないことです。
♧ローカル中華の店に関しては、その通りですが、店の中は日本のファミレス風に、何だか小綺麗になっていました。
♡マカオの夜総会は殆どいったことが無いのですが、“夜遊び通”の皆さんの意見を総合すると、円安等の影響で、日本で遊ぶ方がコスパが良い、とのことです。
♦了解しました。
2024/07/10(Wed) 21:58
週末予言者
マカオの帝王様 こんばんは。
バカラのレポート面白いですね。ご自身の勝ち負けだけでなく他の参加者(今回は2万ドルベットの老板さん)やディーラーさんも描かれているのが臨場感があって良いです。
しかし1HK$≒10円の時代を知る者にとっては、20000HK$≒400000円とはずいぶん高くなったなと言う印象です。
2024/07/11(Thu) 02:34
マカオの帝王
週末予言者さん、こんばんは!
今、読み直してみると、最後のゲームでハウスプレイヤーが7点、バンカーがAAで2点となった時点で、関係なくなったので、プレイヤーのペアに端数の200ドルを賭けただけの当方は席を立ったのですが、その結末を端折ってましたね。 バンカーの “老板” の3枚目は何かの絵札だったみたいで、ハウスプレイヤーの勝利で終わったようでした。
ちょうど当方が香港に駐在した当初は、1HK$≒20円でしたので、その頃に戻った訳ですが、“日はまた昇る”と信じたい今日この頃です。
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